甘栗 アイスになりました (9月26日朝日新聞朝刊)
クラシエフーズは、「甘栗むいちゃいましたアイスバー」を秋冬限定で売り出した。人気菓子商品「甘栗むいちゃいました」にも使われる甘栗をピューレにし、栗あん仕立てのアイスで包んだ。
クラシエフーズは、「甘栗むいちゃいましたアイスバー」を秋冬限定で売り出した。人気菓子商品「甘栗むいちゃいました」にも使われる甘栗をピューレにし、栗あん仕立てのアイスで包んだ。
人気商品「甘栗むいちゃいました」が登場したのは、2000年のことです。2年間のテスト販売期間を経て、全国販売にこぎつけたところ、大ヒットしました。関係者の苦労がしのばれます。
当時、この商品はなかなか衝撃でした。なぜなら、それまで甘栗とは「自分でむいて食べるもの」というのが常識。ところが、その甘栗をむいて売ったのです。まさに常識をくつがえす挑戦でした。
この商品開発の背景や裏話は、さまざまなところで紹介されています。それによると、
「甘栗は好きだけど、むくと手が汚れる。だから、むいて売ればいい」
「食べやすい量だけ売れば、女性が歓迎する」
といったアイデアが出たようです。ところが社内の会議では、
「パウチ入りの栗を買うのだろうか?」
などと疑問視する意見が出たとのこと。しかし最終的には、商品化への意気込みが認められ、テスト販売が決まったといいます。
このエピソードは、多くの働く人にとって、心に響くでしょう。まさに仕事とは、そんな試行錯誤の連続です。「やりたい」「だめだ」。「やってくれ」「難しい」。多くの商品は、そんなぶつかり合いを経て、ようやく店頭に並ぶのですから。
ところで、ある証券アナリストが、別のエピソードを披露してくれました。
「甘栗をむいて売れば、ヒットする。その予想は、実は他社にもありました。しかし、甘栗をむく機械を開発する見通しが立たないため、やめたのです。ところがクラシエフーズは、『だったら、手でむけばいい』と考えた。すごいことです」
そうなんですよ、知っていましたか。「甘栗むいちゃいました」の甘栗は、みんな手でむいているのです。クラシエフーズのホームページに、その様子が紹介されています。
大胆に常識をくつがえす。これ、実は仕事の基本です。
2024/11/21 更新
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