バイオ医薬品 産学連携 (9月20日朝日新聞朝刊)
遺伝子組み換えや細胞培養などの技術をもとにした「バイオ医薬品」の分野で産学が連携を深める。日立製作所、シャープ、三菱化学、第一三共などの24社と神戸大、徳島大などが参加する。
遺伝子組み換えや細胞培養などの技術をもとにした「バイオ医薬品」の分野で産学が連携を深める。日立製作所、シャープ、三菱化学、第一三共などの24社と神戸大、徳島大などが参加する。
世界の製薬会社の売上高ランキングで、上位にどんな会社が並んでいるか知っていますか。そして、日本の製薬会社がいくつ入っていると思いますか。
実際にランキングを見てみましょう。医薬領域を専門とする市場調査会社「セジデム・ストラテジックデータ」がまとめた2012年のランキングです。
1位 ファイザー(米国)589億ドル
2位 ノバルティス(スイス)566億ドル
3位 メルク(米国)472億ドル
4位 ロシュ(スイス)497億ドル
5位 サノフィ(フランス)461億ドル
6位 グラクソ・スミスクライン(英国)426億ドル
7位 アストラゼネカ(英国)279億ドル
8位 ジョンソン&ジョンソン(米国)672億ドル
9位 アボット・ラボラトリーズ(米国)398億ドル
10位 イーライ・リリー(米国)226億ドル
11位 テバ製薬工業(イスラエル)203億ドル
そうです、日本は会社は一つもないのです。国内最大メーカーである武田薬品工業が14位、そしてアステラス製薬18位、第一三共19位です。武田薬品工業の売上高は181億ドルで、ファイザーの3分の1弱という規模。いかに世界のトップメーカーが巨大であるかが分かります。
しかも製薬業界は、新薬開発に莫大な研究費がかかります。世界のトップ企業が投じている年間の研究費は、実に100億ドル近くです。これは日本円にして1兆円に近い巨費です。
どうですか。こうして考えると、今回のニュースの意味が見えてきそうですね。
これからの新しい医薬品は、遺伝子組み換えや細胞培養といったバイオ技術を土台とするものになることが予想され、さらに莫大な研究費がかかると見られます。規模の小さな日本のメーカーが単独で対抗するには困難が予想されます。
そこで、国と学会、産業界が連携して、世界のライバルに対抗していこうという動きが出てきたのです。しかも製薬業界にとどまらず、電機メーカーや化学メーカーも参画するのがポイント。それが、今回のニュースです。
2024/10/04 更新
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