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2016年09月30日

使い捨てされない!ビニール傘ブーム

化粧品・生活用品

 東京・渋谷の「渋谷ロフト」では、デザイン性や機能性の付加価値のあるビニール傘が売れているそうです。たとえば、こんなデザイン。
 
 値段は2千~6千円前後。全国のロフトでの売れ行きは3月以降で2300本(前年の3倍)。「安い、惜しくない」というビニール傘の“常識”は覆ったのでしょうか?

(使い捨てされない! ビニール傘ブーム 2016年9月28日朝日新聞デジタル)

(写真は、渋谷ロフトの傘売り場です)

約60年前、東京・台東区が発祥

 ビニール傘といえば、台風の後に骨が折れてぐにゃぐにゃになった残骸が道端に山になっていたり、突然雨に降られコンビニに飛び込んで500円で買ったもののすぐに忘れてなくしたり……。

 発祥は約60年前、東京都台東区のホワイトローズの製品でしたが、1980年代以降、安い中国製に押され、国内に50社以上あったというメーカーは次つぎ廃業していきました。

(写真は、ホワイトローズで一番最初に開発されたビニール傘の復刻版。当初は、布傘の上にかぶせるカバーだったそうです)

年間8千万本が埋め立てられる?

 記事によると、年間8千万本ものビニール傘が埋め立て処分されている、ともいわれているそうです。こんなムダはありませんね。

 「もったいないなあ」と思う方には、サエラ(東京都港区)のビニール傘「エバーイオン」はいかがでしょう?強風でも壊れにくく、ビニールが破れても簡単に張り替えられるのがポイントです。

(写真は、サエラのビニール傘の張り替え光景です)

「付加価値」で新しいビジネスモデルに

 記事によれば、ローソンでは6月にスヌーピー柄のビニール傘を発売したところ、2万本がすぐ売り切れ、9万本を追加販売したそうです。

 ただ雨風をしのぐのではなく、ビニール傘に付加価値をつけることで、他の商品と差別化できるし、単価も高くできます。

 これって、安さで市場を席捲した中国製ビニール傘に対する、国産ビニール傘のリベンジとでもいえるでしょうか。すっかり生活に溶け込んでいる製品に、どのような新しい価値を加えれば顧客に訴えかけられるのか、ヒントがありそうです。

 これらのニュースから、ビジネスのトレンドを読み取ってください。

(写真は、ホワイトローズが宮内庁に納品しているビニール傘です)

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