ロードスター、ボルボ・・・往年の名車を修復 国内でも本腰
長年乗ってきた愛車は愛着がわくもの。さらに乗り続けてもらおうと、古い車を修復(レストア)するサービスが次々に始まっています。ボルボやメルセデス・ベンツの日本法人、マツダなどが手がけます。国内の市場が伸びないなかで、自社の車を愛する顧客をつなぎとめ、ファンを増やすための取り組みです。
(2016年9月2日付朝日新聞デジタル)
(写真は、ボルボ「240」のレストア作業)
長年乗ってきた愛車は愛着がわくもの。さらに乗り続けてもらおうと、古い車を修復(レストア)するサービスが次々に始まっています。ボルボやメルセデス・ベンツの日本法人、マツダなどが手がけます。国内の市場が伸びないなかで、自社の車を愛する顧客をつなぎとめ、ファンを増やすための取り組みです。
(2016年9月2日付朝日新聞デジタル)
(写真は、ボルボ「240」のレストア作業)
ボルボ・カー・ジャパンは今年7月、「ボルボ・カーズ東名横浜」で1960~90年代のボルボのレストアサービスを始めました。発案者は、木村隆之社長です。同社のウェブサイトによると、社長の愛車は1971年式のボルボP1800(1971年式)。鮮やかなレモン色の流線形のスポーツカーです。3台所有し、部品を寄せ集めオリジナルな形にレストアしたとか。新しいクルマはもちろん楽しいし快適ですが、一方で「古いクルマにはプリミティブ(根源的)な魅力がある」と語っています。
ここまでは1人のクルマ愛好者としての感想ですが、そのあと、木村社長はビジネスの観点からこう語ります。「日本は成熟マーケットであり、われわれの仕事はもはやサービス業といっても過言ではないのです。ディーラーも発想の転換が必要で、新車を買ってくださる方だけがお客様なのではなく、たとえば中古で購入した少し古いモデルを長く乗り続けているお客様にも足を運んでいただける店作りをしなければなりません」
メルセデス・ベンツ日本も今年1月から茨城県日立市の工場でヤング・クラシックリフレッシュプログラムを始めています。20~30年前のクルマを整備するサービスです。
ベテランスタッフが当時の故障診断機や技術資料を用い、本国の純正部品や再生部品を使って、顧客1人ひとりと相談しながらレストアをすすめるそうです。
日本のメーカーでもレストアの機運があります。日本を代表するスポーツタイプ、マツダのロードスター。2015年に「4代目」が登場しましたが、1989年の「初代」モデル=写真、同社提供=のレストアを2017年後半から受け付けます。
人口減少社会の日本で、新車販売はますます難しくなっていきます。国内で1年間に売れる新車は、ここ数年500万台前後で、あまり伸びる気配はありません。
「これからのディーラーはサービスが売りものになる」というボルボ・カー・ジャパンの木村社長の予測は、業界研究の大事な視点になりそうです。少子高齢化に伴う人口減少、そして国内市場の縮小は日本全体の大問題。皆さんが目指す会社がどう舵を切ろうとしているのか、注目してみてください。
(写真は、修復依頼が多く来そうなボルボの名車「240」。長年生産が続き、今もファンが多いクルマです=同社提供)
2024/11/04 更新
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