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2016年09月05日

飛行機の不具合から、航空機産業の実態が見える

自動車・輸送用機器

787修理「19年まで」/全日空 欠航は調整中

全日本空輸(ANA)の最新鋭機「787」で、エンジントラブルが起きました。部品の交換が終わるのは2019年になりそうで、影響が長引きそうです。ANAは、運航を工夫して「できる限り欠航がでないようにする」としています。
(2016年8月31日付朝日新聞デジタル)

787エンジン、ANAはロールスロイス、JALはGE

 ボーイング787は、ANAが2011年に世界で初めて運航し、日本航空(JAL)も続きました。ANAの787エンジンは、英国のロールスロイス製。一方JALは、米国のGE(ゼネラル・エレクトリック)製です。GEは、発明家のエジソンが作った照明会社を源流とする名門企業です。
飛行機のエンジンは、各航空会社が、どのメーカーのものを使うか選ぶ仕組み。ロールスロイスとGEに、米国のプラット・アンド・ホイットニー(PW)を加えた3社が、世界の3大航空機エンジンメーカーと呼ばれています。
 ANAのフェイスブックで、3社のエンジンの写真が紹介されているので、見てみましょう。

米国本拠のボーイング、製品は多国籍

 ボーイング787は、2013年にも大きなトラブルがありました。バッテリーが過熱して発火したり、白煙をあげたりしたのです。このバッテリーに使う電池は、日本製でした。ボーイング社はシアトルに本拠がある米国の会社ですが、その製品である航空機は、部品や材料の面からみれば「多国籍機」なのです。
例えば、787の機体の35%、つまり3分の1は日本製といわれています。機体の構造材に東レの炭素繊維が採用されていますし、主翼は三菱重工業が担当。川崎重工業や富士重工業も、主要部品を作っています。
偶然でしょうか、787の記事と同時に、開発中の「国産ジェット機」MRJ(三菱リージョナルジェット)のトラブルのニュースもありました
(「MRJ米国行き延期1カ月超か/三菱航空機 交換用部品手当て」朝日新聞8月31日付朝刊)。
 空調監視システムの不具合が原因ですが、このシステムは米大手部品メーカー製。ちなみに、MRJのエンジンは、PE製です。

メーカーはどんなタイプの人材を求めている?

 技術の最先端をゆく航空機の製造は、1社または1国だけの力では、技術的にも効率的にもできなくなっています。同じように、自動車やパソコンなどITの部品も、グローバル化が進んでいます。多種多様な部品を上手に組み合わせ、最適・最良な製品を作るには、オーケストラをまとめる指揮者のような能力が必要とされそうですね。
 メーカーは、会社によっていろんなタイプの人材を必要としています。あなたの目指す企業がどんな人材を求めているのか、各社のウェブサイトや新聞記事を参考に探ってみましょう。

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