ラーメン「一風堂」ミャンマーに初出店へ 富裕層に標準(2016年7月14日朝日新聞デジタル)
ラーメン店の「一風堂」が来春、ミャンマーに進出する。運営会社の源ホールディングス(福岡市)が7月14日、発表した。6月にライセンス契約を結んだシンガポール企業と組む。どの都市に出店するかなどは未定。経済成長が続いて主なターゲットになる富裕層が増えると見込む。一風堂は海外展開を積極的に進めており、アジアを中心に欧米を含めて58店舗ある。2020年をメドに海外200店舗を目指す。
ラーメン店の「一風堂」が来春、ミャンマーに進出する。運営会社の源ホールディングス(福岡市)が7月14日、発表した。6月にライセンス契約を結んだシンガポール企業と組む。どの都市に出店するかなどは未定。経済成長が続いて主なターゲットになる富裕層が増えると見込む。一風堂は海外展開を積極的に進めており、アジアを中心に欧米を含めて58店舗ある。2020年をメドに海外200店舗を目指す。
(写真は博多一風堂創業者・河原成美さん)
「一風堂」は1985年創業の博多ラーメンの店。細く固めの麺に、とんこつからとった濃厚でなめらかなスープ、それでいて臭み雑味がない……などが特徴です。瞬く間に日本から世界に店舗を展開し、ジャパニーズ・ラーメンブームの先駆けとなってきました。2008年には米国ニューヨークのイーストヴィレッジに出店、今年2月にはパリのサンジェルマンにも進出しました。一方、熊本市が本拠の「味千(あじせん)ラーメン」も白濁とんこつスープの九州ラーメンですが、2016年5月、13カ国目の進出になるモンゴル1号店を首都ウランバートルに開店しました。とんこつラーメンに加えモンゴル限定のラムチャーシュー麺も出しているそうです。味千は1990年代からアジアに進出し、国内約100店に対して海外は中国を中心に700もの店を展開しています。海外ではモンゴル店のように焼き鳥や焼き魚、てんぷら、担々麺など、現地の人たちの好みに合わせたメニューを提供しています。
「マルタイ、3年ぶり黒字」(2016年5月12日朝日新聞西部本社朝刊)という記事では、即席麺のマルタイ(福岡市)の2016年3月期決算が「3年ぶりに黒字に転換した」と伝えています。売上高が前年比8.4%増の78億円で、純利益が2億9700万円(前年は2億8000万円の赤字)でした。主力製品の「棒ラーメン」のアジア向け輸出が2倍に増えたのが好調の原因です。「棒ラーメン」の中で、アジアでうけているのが、「九州を食す」シリーズです。そのヒットを伝えた「棒ラーメン熱、アジア湧かす/マルタイ 輸入品スーパーからヒット」(2015年10月10日朝日新聞朝刊)によれば、3年ほど前、日本からの輸入品を扱う香港のスーパー「759阿信屋」が「九州の味」シリーズをチェーン各店で売り始め、「一躍ヒット商品になった」といいます。中国の大連や上海、台湾などにヒットは広がっています。
「九州を食すシリーズ」は、「博多とんこつ」はじめ「熊本黒マー油」「鹿児島黒豚とんこつ」など各県名産ラーメンを即席めんにした商品です。もともと九州ラーメンの知名度の低い関東をねらって作った商品でしたが、アジアに市場がありました。前掲の記事では、「とんこつラーメンの有名店が海外に進出し、とんこつ味が定着してきたことがある」と分析しています。店で食べた「とんこつらーめん」の味が家庭で楽しめるというわけです。とんこつラーメンを売る一つひとつの企業は、大きくはありませんが、アジアや欧米につぎつぎに進出したことで、現地のひとたちの「舌」をつかまえました。グローバル化というと大企業をイメージしがちですが、中堅・中小企業ならではのグローバル戦略があるのですね。企業の大小に目を奪われるのでなく、どういう成長の芽をもった企業なのかを研究してください。
2024/12/12 更新
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