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2016年07月19日

この商品は誰が買う?「ターゲット」考えるクセつけよう

食品・飲料

「マルコメ君」いつの間にか消える 背景にみそ消費減(2016年7月15日朝日新聞デジタル)

 マルコメマルコメ~マルコ~メみそ――。おなじみのCMソングに合わせて登場する丸刈り頭の男の子「マルコメ君」。みそ大手マルコメ(長野市)の有名キャラクターを最近見かけなくなった。縮小するみそ市場と会社のイメージ転換が背景にあるようだ。
 同社によると、マルコメ君はもともと、みそづくりが年少僧の修行の一つだったことから生まれたアニメキャラクターだった。

マルコメ君がミランダ・カーに?

 少し前までは、丸坊主の男の子のあだ名はたいてい「マルコメくん」になっていたというくらい影響力のあった「マルコメみそ」のテレビCM。確かに最近、あのかわいらしい丸坊主の子が味噌汁を飲むCMを見なくなったな、そもそもテレビを見なくなったからなのか――と思っていたら、なんとCMキャラクターそのものが世界的ファッションモデルのミランダ・カーに変わっていたのですね。ミランダさんは親日家で、味噌汁も「体にも美容にもいいので好んで飲んでいます」とアピールしています。

商品売るターゲットが変化

 記事にもありますが、味噌の年間購入量は1978年の12.9キログラムから2015年には約5.5キログラムまで減少。毎朝かならず味噌汁を飲む、という人も少なくなっているのではないでしょうか。一方で、味噌汁は脂分が少なく健康的で、また強い抗酸化作用があることから老化防止にも効果があるとされている食品でもあります。狙うべきターゲットを主婦層だけではなく、「ヘルシー」「健康」といったキーワードに反応しやすい若い女性層に切り替えたことが、ミランダさん起用の背景にあるのです。

男性から女性にターゲット変えてヒット

 朝日新聞デジタルでしか読めないコンテンツのひとつに、ヒット商品の裏側をレポートする「ヒット!予感実感」という連載があります。7月14日にアップされた「これもブロック玩具ナノ?」という記事には、子どもの頃みなさんが遊んだであろうブロックのおもちゃで最近ブレークしている「ナノブロック」の秘密が紹介されています。もともと男性向けに売ろうと考えていたのですが、いまいちヒットせず。ところがあるときから包装を透明の小袋入りにして、できあがりの形もキリンやインコといった動物にし、30~40分で完成するかんたんな仕様に切り替えて「東急ハンズ」などの雑貨店に置くようにしたところ、若い女性が食いついてきて大ヒットしたそうです。
 世の中のどんな商品も、それを買う人がいて成り立っているものです。今はヒットしていない商品でも、売り方を変えて違う層にアピールすると違った展開があるかもしれません。「この商品は誰をターゲットにしているんだろう?」という発想法を身につけて、企業研究の目を養って下さい。

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