サイバーセキュリティーに国家資格 17年度にも新試験(2015年12月8日朝日新聞朝刊)
経済産業省は7日、サイバーセキュリティー対策の専門家を認定する新たな国家資格をつくる方針を有識者会合に示した。サイバー攻撃や情報漏洩(ろうえい)などに対応できる「プロ人材」を育てる狙いだ。早ければ2017年度にも新資格の試験を始める。
資格者には常に最新の技術や知識を得てもらうため、3年程度の「更新制」とし、講習の受講を義務づける。違反すれば登録を取り消す。業務で知った秘密の保持も義務づける。登録制にして、企業が資格を持った人材を見つけやすくする。
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「サイバーテロ」という単語を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。日常の買い物から重要なインフラの制御まで、生活のすみずみにITシステムが入り込んでいる昨今。そのシステムが破壊されることは、私たちの安全な生活が直接脅かされることにもつながります。2015年2月16日の朝日新聞朝刊には「水道などライフラインや化学プラント、工場などを動かす産業用ソフトで、コンピューターウイルスに攻撃されると被害が出る恐れがある欠陥報告数」がここ数年非常に多くなっているという記事が載っています。その半数が、サイバーテロに遭えばシステム全体が停止しかねない重大なものだったとか。今年はマイナンバー制度が始まることもあり、サイバーテロ対策は国をあげての急務となっているわけです。
とはいえ記事でも指摘されているように、このジャンルではすでに「情報セキュリティスペシャリスト」という資格があります。IT関連の資格の中でも最難関と言われ、2014年の合格率は14.0%。一度取得すると更新の必要がなく最新技術への対応が課題となっていたと記事では指摘していますが、まったく新しい種類の資格を作る必要があったかどうかはよくわかりません。いずれにしても、情報系の業界を志望している学生はどこかで受験を考えておいたほうがいいジャンルでしょう。もちろん就活時にこれらの資格を持っていれば、ひとつのアピール材料になるはずです。
就活時に資格はどれくらい必要なんでしょうか。「私、普通免許しか持っていない」「私は免許も持ってない……」と悩む学生もいるかもしれません。ただ、総合職に関していえば資格の有無は大きな問題とはなりません。会社内で業務に必要な資格があれば内定してから、もしくは就職してからとってもらうという対応が一般的だからです。
ただ逆に言えば、会社が資格を取って欲しいと考えた時、すぐに勉強して資格をとれるポテンシャルがあるかどうかは見られるわけです。なんとなく資格を集めるのではなく、自分の中で「資格を取る目的」「取るまでの勉強法」「取ってからの生かし方」を明確にして資格の勉強をしたほうが就活でよりアピールすることができます。司法試験や税理士といった「資格=就職」という資格でない限りは、資格の中身だけではなく「どう資格をとったか」にも意識を向けていきましょう。