受注しすぎて減益に 曙ブレーキ工業(朝日新聞4月17日朝刊)
ブレーキ最大手の曙ブレーキ工業は2015年3月の営業利益が前年より50%少ない40億円になる見通しだ。米大手自動車メーカーから生産能力を超える部品発注があり、現地生産が間に合わず日本から製品を届けたのと、米国のクリスマス休暇中に工場を稼働させたため残業代がかさんだ。
ブレーキ最大手の曙ブレーキ工業は2015年3月の営業利益が前年より50%少ない40億円になる見通しだ。米大手自動車メーカーから生産能力を超える部品発注があり、現地生産が間に合わず日本から製品を届けたのと、米国のクリスマス休暇中に工場を稼働させたため残業代がかさんだ。
経済面の小さい記事が目にとまりました。米国メーカーの発注は計画より2%多かっただけですが、すでに現地米国の工場はフル稼働中でした。クリスマス休暇中の残業代は通常期の2倍なのだそうです。
曙ブレーキ工業は、本社が埼玉県羽生(はにゅう)市。自動車部品のブレーキパッドでは国内40%のシェアを誇り、日本と北米市場でトップのメーカーです。ブレーキパッドはディスクブレーキの部品の一つ。このパッドを回転するローターに押さえつけ摩擦力によって車を止めます。シェアを他社に取られないためにも、あえて損してでも受注したのでしょうか。注文を断らないのはトップメーカーの矜恃(きょうじ)、責任感ともいえるかもしれません。
日本の全自動車メーカーにブレーキ部品を供給し、北米、中国、ASEAN、欧州……と、世界各地に展開しています。同社HPの採用案内を見ると「グローバル人材」を求めていることがわかります。マクラーレンのF1パートナーでもあり、新幹線はじめ鉄道のブレーキも手がけています。トヨタや日産、ホンダはテレビや新聞等のCMでおなじみでも、この“ブレーキパッドの覇者”の知名度は決して高くはありません。
消費者に商品やサービスを直接提供する「BtoC(Business to Consumer)」企業でなく、曙ブレーキ工業のような「企業がお客さん」の「BtoB(Business to Business)」のメーカーは就活生の注目度は低くなりがちです。実際、BtoB企業の採用担当者からは「こんなに優良企業なのに就活生が来てくれない」というぼやきを聞かされます。企業・業界研究ではぜひBtoB企業に注目してください。エントリーが殺到するBtoC企業ばかりねらうより、よりよい結果が得られるかもしれませんよ。
2024/12/04 更新
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