業界研究ニュース 略歴

2015年03月17日

低アルコール市場活性化、狙いはずばり20代!

食品・飲料

軽さウリ、こだわりの1% (3月15日朝日新聞朝刊)

 キリンビールとサントリースピリッツは、アルコール度数が1%の缶チューハイをそれぞれ売り出した。一般的には4~6%だがそれより度数が低く、軽さを売りにファンを広げることをねらう。

目のつけどころはこちら

 RTD市場に関する記事です。アルコール飲料ではいちばんの成長分野ですね。
 RTDとは「Ready to Drink」の略。チューハイやハイボール、カクテルなど醸造酒を炭酸水などで割ったもので、自分で混ぜる必要がなく「ふたを開ければ、そのまま飲める」という酒類のことです。すでに飲料業界や流通業界では普通に使われている言葉で、会社によっては組織名をズバリ「RTD部」などとしています。

 この市場が注目される理由は記事にあるとおり、若い世代への訴求力の強さです。市場を牽引してきたサントリーによる最新の調査では、
「最近1カ月で、自分で購入して自宅で飲んだお酒は」
 という問いで、20代でも30代でもビールや発泡酒を抑えて1位になったのがRTDでした。

 RTDの特徴の一つは、低アルコール度が主流、ということです。RTDが大きく認知されたのは2009年にサントリーから発売された「ほろよい」の大ヒットからですが、アルコール度数は3%。「新世代チューハイ」というコンセプトを打ち出し、業界ではこれによって「3%市場」が確立したと言われている、記念碑的な商品です。
 今回の記事に登場するキリン「バタフライ」と サントリー「The O.N.E」は、さらにアルコール度数を下げて、わずか1%。まさに「軽さが時流」ということでしょう。

 この記事の翌日、王者「ほろよい」の新テレビCMを発表する記者会見がありました。CMに登場するのは二階堂ふみさんや成海璃子さん、野村周平さんら20代の俳優、音楽家5人。二階堂さんらは「お酒のCMは初めて」と語り、若さを強く印象づけました。CMの内容も、
「ログハウスのテラスで同世代の5人が、チューハイを片手にゆったりと過ごす」
 というもの。新製品のねらいが、明確に伝わりますね。

アーカイブ

業界別

月別