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2015年02月04日

白物家電絶好調の裏で、テレビ生産からの撤退進む

家電・総合電機

「白物」出荷額0.9%減 (1月27日朝日新聞朝刊)

 日本電機工業会は1月26日、エアコンや冷蔵庫などの「白物家電」の2014年の国内出荷額が前年より0.9%減の2兆2685億円だったと発表した。4月の消費増税で売れ行きが落ちたものの秋から回復しつつあり、この10年では前年に次いで2番目に多い出荷額を保った。

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 「雪崩を打つように」とは、現在の状況を表すのでしょう。いま、日本の家電メーカーが一斉に、ある方向へと走り出しています。何が起きているのか。順序を追って見ておきましょう。

 まず、この記事では、家電全体の状況がわかりやすく概観されています。見出しにあるとおり、エアコンや冷蔵庫などの白物家電は、前年に比べれば不調でした。しかし、そもそも前年が絶好調だったのです。だから、この10年でみれば昨年は「2番目」に位置づけられる好調な出荷額でした。
 売り上げが伸びている商品は、たくさんあります。例えば冷蔵庫は前年比で3.1%も伸びました。洗濯機も前年比で4.1%増です。
 つまり家電は、全体として見れば決して大きな不調ではないのです。この点では、むしろ朝日新聞デジタルに載った記事のほうが、業界全体の理解には便利かも知れません。見出しは、こうでした。
「白物家電、高価格製品が好調」

 さて。ではいま家電業界で一番売るのが困難になっている商品は何か。記事の後半に、それは名指しされています。テレビです。
 この4日後の1月31日には、「パナ、中国TV生産撤退」という見出しの記事も載りました。家電大手のパナソニックが、中国での液晶テレビ生産をやめると発表したのです。

 パナソニックだけではありません。日本勢が一斉に、テレビ生産との決別に動いています。
 東芝は、いよいよ海外生産をやめる見通しです。すでに中国とポーランドから撤退していましたが、残るインドネシアの生産拠点も売却する方向です。
 シャープは昨年、ポーランドでの生産をやめました。現在、北米からの撤退も検討していると報じられています。日立製作所はすでに3年前、自社でのテレビ生産をやめています。

 かつての花形産業だったテレビ。リストラに走り出している背景にあるのは、海外との熾烈(しれつ)な価格競争です。今後は、韓国のサムスン電子やLG電子、中国のTCLやハイセンス(海信)といったライバル企業とは真正面からの勝負をせず、海外の製造メーカーに対するブランド供与などの新戦略を模索していくようです。

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