いつも心にエンジェルを。今回のエンジェル企業は、創業者の鳥井信治郎が残した名言「やってみなはれ」で知られるサントリーホールディングス(SHD)です。朝の連続テレビ小説「マッサン」に登場する鴨居商店のモデルにもなっていますね。2014年の売上高がキリンホールディングスを抜いて、国内飲料メーカーの首位になったことでも話題になりました。創業は1899年という老舗。美術館にコンサートホール(右写真)、東北の復興支援から、水を育むための森づくりまで、幅広い社会貢献でも知られています。
2013年12月末時点で、SHDの社員数は4765人、女性社員は2割ちょっとです。2013年に東証一部に上場した、食品事業を担うグループ会社のサントリー食品インターナショナル(SBF)の社員は1518人、女性社員が1割強です。国内外のグループ企業の従業員を合わせると37000人(2014年12月末)を超える巨大カンパニーですが、これから紹介するのは、SHDとSBFの2社と雇用契約を結ぶ社員の話です。


経済産業省主催のダイバーシティ経営企業100選をはじめ、さまざまな指標で「働きやすい会社」ランキングの上位に登場するサントリー。それでも15年くらい前までは、出産や結婚を機に退社する女性社員が年に30人ほどいたそうです。それが2013年度ついに「ゼロ」になりました。
また、フレックス勤務も部署でなく、個人単位で使えるようになりました。5時~22時までの間であれば、自由に勤務時間を選べます。5時~12時半でも、14時半~22時でもよいわけです。しかも、ぶっ続けに働く必要はなく、8時30分~12時半、15時~18時と分割することもできます。
さらにいま充実させようと取り組んでいるのが男性社員の育児参画です。2011年9月、男性の育児休職率向上を目的に育休を一部有給化した制度「ウェルカム・ベビー・ケア・リーブ(WBC)」を導入しました。この結果、2011年度にはたった2人しかいなかった男性の育休取得者は、2012年に13人、2013年度に40人、2014年度はすでに60人と、急増しています。





