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2014年09月18日

スマホが「まるで」一眼レフに?

精密機器・電子機器

スマホが一眼カメラに (9月11日朝日新聞朝刊)

 ソニーは、スマートフォンに取り付けることができるレンズ型デジタルカメラ「ILCE-QX1」を10月10日に発売する。スマホのモニターを見ながら撮影でき、スマホでは撮影しにくい夜景などをきれいに写せるという。

【目のつけどころ】 商品のスペックを正確に把握しよう

 この記事の見出しを見てください。「スマホが一眼カメラに」とあります。

 しかし実は、この製品によって「スマホが一眼カメラに」なるわけではありません。だって、ほとんどすべてのスマートフォンは、もともとレンズがひとつしかない「一眼」カメラなのです。

 カメラの「一眼」の意味は、「撮影者が対象を見るためのレンズ」と「写真を撮影するためのレンズ」が、分かれていないということ。スマホでももちろん、撮影者が確認している画像と、写真として撮影される画像は同じです。同じ一つのレンズを通した画像を、目で見られるし撮影もできる。スマホはそもそも、立派な一眼カメラです。

 では「二眼カメラ」というのはあるのでしょうか? そう、あります。(下の写真です)

 クラシックな二眼カメラでは、人が覗くためのレンズと、フィルムに撮影するためのレンズの2本が、並んで配置されていました。古い映像などで見たことがある人もいるんじゃないでしょうか。

 ということで、この見出しはちょっと「正確」とは言えません。現在朝日新聞デジタルで見られる当該記事の見出しは「スマホがまるで一眼レフ?」という見出しにかわっています。これだと「間違い」ではなくなりますが、「一眼レフ」という言葉の使い方がまだひっかかります。

 レフとは、レフレックス(鏡の反射)のこと。昔の一眼カメラには、鏡が必要でした。鏡がパタンとはね上がり、レンズを通った光の道筋を切り替えていました。しかし、それが不要になったことこそ、デジカメの大きな特長。したがってこのレンズに「レフ機能」はついていません。「まるで一眼レフ」というのは、あくまでも見た目だけの話、ということです。

以上は細かい話ではありますが、志望企業や業界の新商品のスペックを正確に把握することで、もしかしたらライバルに差をつけることができるかもしれませんね。

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