業界研究ニュース

2017年02月14日

楽天・ヤフー・アマゾン ネット通販三つどもえ

流通

ポイント還元で消耗戦

 ネット通販大手の競争が激しくなっています。利用者を囲い込もうと、ユーザーに還元するポイントを増やす戦略が重荷になって、業績は悪くなっています。ただ、通販では損をしても、他のサービスに利用者を誘導することでもうけようとしているため、囲い込み戦略をやめるわけにはいきません。この消耗戦はどこへ行きつくのか、先が見えません。
(2017年2月14日朝日新聞デジタル)

売れてはいるが、もうけは減る

 ネット通販大手は、楽天・ヤフー・アマゾンの3社。楽天は2017年2月13日に2016年通期の決算を発表しました。前年に比べ国内通販は営業利益が19.6%減りました。利用者は前年12月から10.1%増え、売上高も9.3%増えていますので、「お客が増え、ものも売れてはいるが、もうけは減っている」という状態です。ヤフーは2月3日に16年4~12月期決算を発表しましたが、ネット通販事業は赤字が続いています。
(写真は、2016年の決算を発表する楽天の三木谷浩史社長です)

サービス競争で囲い込み戦略

 国内のネット通販市場全体はまだ大きくなっていますが、かつてのような勢いはなく、伸びは小幅になっています。そこにきて、3社はサービス競争で利用者を囲い込もうとしています。楽天は16年1月から買い物をした額の最大7%をポイントで還元しています。ヤフーは、15年4月から最大11%をポイント還元しています。アマゾンは、有料会員向けに動画見放題や無料即日配達などのサービスを打ち出しています。
(写真は、アマゾンの有料会員向けの倉庫です)

スーパーの目玉商品と同じ

 ここまでサービス競争をするのは、ほかのサービスを利用してもらって、より大きな収益につなげるためです。楽天もヤフーも自社のクレジットカードの取り扱いが増えることで利益を回収しようとしています。スーパーが特売品でお客をよんで、別の商品も買ってもらうことで帳尻を合わせようという商売と同じです。ただ、スーパーも競争に負けまいとして、「もっと安く、もっと安く」と頑張っていると、業績が悪化していくことがあります。ネット通販もその傾向が出ているようです。

勝ち残りのための陣取り合戦

 ネット通販大手が本当に苦しくなるのは、ネット通販市場が飽和し、売り上げが増えなくなる時です。それがいつかは分かりませんが、伸びの鈍化傾向を見ると、そう遠くないうちに来るかもしれません。通販大手はその前に勝ち残っていようと、陣取り合戦をしているわけです。ネット時代の栄枯盛衰は早いですから、ネット通販業界も正念場を迎えていると考えていいと思います。

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