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2014年01月29日

エアコンや冷蔵庫、2013年は「白物家電」がよく売れた

家電・総合電機

白物家電、出荷4%増 (1月28日朝日新聞朝刊)

 エアコンや冷蔵庫、洗濯機といった白物(しろもの)家電の2013年の国内出荷額が前年より約4%多い2兆2893億円となり、過去10年間では最も多かった。日本電機工業会が27日発表した。

【目のつけどころ】 売れた理由と今後の課題

 冷蔵庫や洗濯機といった大型の家電製品は、かつてほとんど白色だったので、いつからか「白物家電」と呼ばれるようになりました。今回の記事は、この白物家電が2013年は大変よく売れた、という内容です。
 東京本社版の紙面では、記事はわずか12行。取材をした記者はおそらく、紙面にもっと余裕があるならば、このニュースの背景や問題点をしっかり書き込みたかったことでしょう。しかし、いつもそうできるとは限りません。そこで今回は、読者としての視点で、この記事をいろいろ補って考えてみましょう。

 まず「なぜ、売れたのか」です。記事では、エアコンや冷蔵庫が好調だった理由に「夏の猛暑」を挙げています。また、換気扇や食器洗い機がよく売れた背景として「住宅着工数が増えた」と指摘しています。

 それなら、問題点はないのでしょうか? すぐ思い浮かぶのは「では、『白物』以外の家電はどうだったの?」ということでしょう。そうです、残念ながら不調でした。たとえば薄型テレビの出荷台数は、前年比で約17%も減少。白物家電のような生活必需度の高い家電は好調でしたが、その半面でデジタル家電などは厳しかったのです。
 さらに、別の問題点も浮かびます。「では、この調子で2014年も売れるのか」ということ。はい、これもそのとおり。実は4月には消費税増税が控えています。前回の増税があった1997年は、直前1カ月の需要が「前年比5割増」に達するなど、大幅な「駆け込み消費」がありましたが、増税後に大きく落ち込んだことが知られています。

 つまり、今回の「なぜ売れたか」の理由として、前回の増税同様の「駆け込み消費があった」という可能性を否定できません。
 どうですか。こうして見ると、課題も少なくありませんね。メーカー各社では現在、旺盛な需要が3月までは続くと予想して増産態勢をとっています。しかし、4月以降はどうなるのか。反動があるのではと、警戒感も強めているのです。

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