昭和電工、ベトナム社買収 (1月9日朝日新聞朝刊)
昭和電工は8日、ベトナムのアルミ缶会社「レグザム・ハナキャンズ」を買収すると発表した。3月をめどに株式の9割超を取得する。ハナキャンズの生産能力は年13億本。
昭和電工は8日、ベトナムのアルミ缶会社「レグザム・ハナキャンズ」を買収すると発表した。3月をめどに株式の9割超を取得する。ハナキャンズの生産能力は年13億本。
昭和電工は、驚くほど幅広い事業分野をもった会社です。今回の記事にあるアルミニウムだけでなく、カーボンやセラミックスなどの素材から、コンピューターなどの電気製品に使用されるハードディスクや発光ダイオードなどの電子部品、あるいは電気炉に使われる黒鉛電極などや高性能モーターに欠かせない磁石用合金といった高機能材料まで。実にさまざまな領域をカバーしていいます。
会社としては「総合化学メーカー」を名乗っていますし、とりわけ「産業のコメ」とも呼ばれるエチレン製造では国内の主要メーカーとして、重要な地位を占めています。しかし、この旧来の化学メーカーという範疇に留まらないのが、会社の強み。近年の成長の主翼はハードディスクと黒鉛電極で、同社ではこの2事業をまさに両翼と位置づけ、さらなる飛躍へと挑んでいます。
さて、こうした中での今回のニュース。同社にとって最も歴史ある事業の一つであるアルミニウム事業についてです。
そもそも日本で初めて、ビール用アルミニウム缶を製造販売したのが昭和電工。国内では残念ながらアルミニウム缶はもはや頭打ちの状況ですが、海外メーカーを買収して、生産能力を現在の年間30億本からいっきに4割も増やすとしています。果敢な挑戦ですね。
昭和電工は、現在でもこのアルミニウムの主要メーカーの一つですが、実は国内での精錬事業はすでに四半世紀前の1986年に全面停止しています。現在、事業の海外拠点としては中国やシンガポール、フィリピンなどがありますが、ベトナムこそが東南アジア最多のビール消費国。「2018年には現在の日本の消費量を超える見通し」とされ、成長に期待をかけています。
2024/12/12 更新
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