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2013年07月31日

サービス産業は稼いでいるか

教育・生活サービス

サービス指数、連続プラス (7月26日朝日新聞朝刊)

 日本銀行が25日発表した6月の企業向けサービス価格指数(2005年平均=100、速報)は、昨年6月に比べて0.4%高い96.3で、2カ月連続で前年同月比がプラスになった。

【目のつけどころ】 働く人の3人に2人は「第3次産業」

 「サービス」。これ、何でしょうか。今回は、この基本用語を理解しましょう。

 経済学ではしばしば、市場で売買される商品を指して、「サービス」などと独特な用語を使います。もったいぶった言い方で、まず「財」がわかりにくいのですが、要するに「モノ」の気取った表現です。
 だからサービスとは、それ以外の商品のこと。つまり、形のある商品が「財」で、形のない商品が「サービス」です。

 それでは、なぜ「サービス」に注目するのでしょうか。理由の一つは、現代の社会では「モノ」よりも「サービス」の比重が大きくなっているからです。
 具体的に見ましょう。たとえば古典的な産業分類にしたがって、日本の就業人口を比べると、こうです。「労働力調査」(総務省、2005年)では農林業や漁業などの「第1次産業」は5%、建設業や製造業などの「第2次産業」は28%であるのに対して、小売り業や運輸・通信業などの「第3次産業」は67%。つまり日本の労働者の3人に2人は、第3次産業にいるのです
 ざっくりと言えば、モノを生み出すのが主に第1次や第2次産業で、サービスを生み出すのが第3次産業。つまり、
「日本はものづくり国家」
 などと言われますが、実態はむしろ逆で、「日本はサービス国家」というわけです。

 しかし、このサービス産業の生産性が低いことが、日本の問題点として指摘されます。従業員1人が生み出す付加価値(つまり労働生産性)を比べると、非製造業は製造業よりも低い。つまりごく簡単に言って、日本の非製造業は「稼ぎが悪い」のです。

 こうして見ると、サービス産業を強化することは、日本の経済全体をよくために重要だと言えそうです。
 モノを対象とする「物価指数」に対して、「サービス価格指数」ではサービス関係の市場価格の変化を見ます。やや耳慣れない言葉ですが、今日のサービス産業の重要性とともに理解しておきましょう。

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