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2013年07月22日

なぜ日本車よりも、高価な外国車が売れるのか

自動車・輸送用機器

輸入車の販売好調 (7月18日朝日新聞朝刊)

 国内の自動車市場の低迷が長引くなか、輸入車が快走している。2013年上半期(1~6月)の新車販売全体のシェアは8%を超え、過去最高になった。

【目のつけどころ】 高くても売れるもの

 考えさせられる記事です。なんとなく、こんな疑問の声が聞こえる気がしませんか?
「なぜ日本車よりも、高価な外国車が売れるのか」
 
 新聞記事を読むと、フォルクスワーゲンの「ゴルフ」とトヨタの「プリウス」の性能がしっかり比較され、プリウスの優位性が目立ちます。
「燃費は?」
「価格は?」
 どちらも勝っているのはプリウス。なのに売り上げが伸びているのはゴルフです。なぜでしょうか。自動車以外の多くの業界にも共通して見られる現象ですから、幅広く役立つ疑問です。
 
 ちなみに経済学は、一つの回答例を示しています。アメリカの経済学者ソースティン・ヴェブレンが提起した「ヴェブレン財」という考え方です。
 ヴェブレン財とは、値段が高いほど売れる傾向がある商品のことです。ブランド品の服やアクセサリーなどもこの傾向があるでしょう。機械式腕時計などもそうかも知れません。
「人は、性能や価格の優劣ではなく、自分の地位を誇示したり他人に自慢したりする目的で商品を選ぶ」という考え方で、ヴェブレン効果と呼ばれます。顕示的消費などともいいます。
 
 偶然にも前日は、こんな記事もありました。
「世界限定100台のGT-R」
 日産自動車が、宝石のように輝く特別な塗装をしたり、エンジンルームに車体番号を記した金色のプレートをつけたりした、高級志向のスポーツカーを売り出すそうです。
 
 経済学者の水野和夫氏も、次のような趣旨のことを言っています。
「ひととおり社会に幅広く行き渡った商品を、さらに売れるようにする基本的な手段は、『多機能化』をするか、『大型化』や『高級化』をするかだ」
 どうですか。自分の気持ちに引きつけて、考えてみませんか。

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