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2013年07月19日

産業としてのファミコン、文化としてのファミコン

レジャー・アミューズメント

世界に楽しさスタートボタン (7月14日朝日新聞朝刊)

 通勤通学中にスマホでゲーム、買い物や飲食もゲーム要素で楽しく――。そんな現代は、あるゲーム機の世界的ヒットがあったからこそ実現したとも言われる。15日、任天堂「ファミリーコンピュータ」が発売30周年を迎える。

【目のつけどころ】 朝日新聞の東京本社版、大阪本社版

 あれっ? なんだろう……。東京本社版の朝刊に載ったこの記事は、やや物足りなく感じたかも知れません。そんな違和感を抱いたときは、ちょっと調べてみてください。しばしば種明かしがあります。

 ファミコン30周年という注目の話題を伝えているのに、この記事は社会面の左隅にギュッと小さく押し込められている感じ。行数も30行ほどしかありません。そうなのです、実は「元の記事」はもっと大きかったのです。
 ファミリーコンピュータを製造している任天堂の本社は京都市にあります。取材をしたのは大阪本社の経済部記者です。地元の朝日新聞大阪本社版の紙面では、この記事は前日夕刊の1面トップにどーんと大きく載りました。行数も東京の3倍以上で、さらに写真や表も付いています。つまり東京版は、大阪版の記事のサマリーでした。

 しかし、だからといって東京版が不十分というわけではありません。実は東京版では、東京の文化部記者が取材したファミコンに関する別の記事が、すでに前日の夕刊に大きく載っているのです。朝刊の短い記事は、その「続報」という位置づけでした。
 このように新聞では、関連記事が別の日に載っていたり、発行地域によって記事が変更されたりします。そんな特徴があることも前提にして記事を読んでいただくことも、内容の理解につながるでしょう。

 ちなみに、大阪と東京それぞれの記事は、切り口がかなり違います。
 大阪版は、どちらかというと「産業としてのファミコン」に焦点を合わせ、ファミコンソフトの販売本数の推移や市場規模の変遷をたどっています。これに対して東京版は、いわば文化としてのファミコンに注目して、現在のネット文化との関わりや著作権の問題などを取り上げています。
 朝日新聞デジタルで両方が読めますので、どうぞ比較して、業界研究に役立ててください。

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