上場サントリー食品 3700億円を調達 (7月4日朝日新聞朝刊)
サントリーホールディングス(HD)の主力子会社サントリー食品インターナショナルが3日、東京証券取引所第1部に株式を上場した。手に入れた資金で東南アジアの飲料会社の合併・買収(M&A)を進めるねらいだが、そこにはライバルたちがひしめいている。
サントリーホールディングス(HD)の主力子会社サントリー食品インターナショナルが3日、東京証券取引所第1部に株式を上場した。手に入れた資金で東南アジアの飲料会社の合併・買収(M&A)を進めるねらいだが、そこにはライバルたちがひしめいている。
株式会社の中には、株式を公開している(上場している=証券取引所で発行株式を売買できる)会社と、株式を公開にしていない(非上場=公開での取引ができない)会社があります。
サントリーは、このうち非上場の代表的な会社でした。日本の多くの有名企業は上場会社ですが、こうした非上場の会社としては、ほかに竹中工務店、JTB、リクルートなどがあります。ちなみに朝日新聞社も非上場会社です。
上場会社は、会社の経理状態を詳しく公開する義務があります。公開書類としては「決算短信」や「有価証券報告書」(有報)などがあります。就職活動をする学生にとっても会社研究をするための重要な資料です。ネット経由で入手できますので、ぜひ目を通してみましょう。
最初は難しいのですが、慣れると意外に簡単です。とりわけ「財務3表」と呼ばれる書類は重要です。「貸借対照表」「損益計算書」「キャッシュフロー計算書」の3種類です。これらを読み解くことができれば、「その会社にはいくら借金があるのか」「もうけは増えているのか」「社員の給与はいくらか」といった経営状態が詳しく分かります。
さて、サントリーグループの中核企業であるサントリー食品インターナショナルが上場して、約9700億円という時価総額が話題になりました。また、記事には「この上場で3700億円を調達できた」と書いてあります。
これらの金額の背景は、記事だけでは分かりにくいので、説明してみます。時価総額とは「株価」×「発行株式数」で、その会社の価値を表します。サントリー食品の株価は3145円で、株式数は3億900万株なので、掛け算をしてこの時価総額になるわけです。
また、このうち新しく発行された株式は9300万株でした。さらに、親会社のサントリーが株式の一部2600万株を売り出しました。だから「新たに手に入れた資金」は3700億円になるわけです。
こうした計算方法までは、日々の新聞記事には書かれません。理解しておきましょう。
2024/11/21 更新
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