チョイ足しでノンアルカクテルにも
ノンアルコールビールの種類が増え、味も本物に近づいてきました。ただ飲むだけでなく、アレンジしてもおいしいそうです。ノンアルビールで、アサヒの「ドライゼロ」と首位を争う「オールフリー」のサントリーは、「お酒が飲めない時に飲む代替品のイメージが低下し、積極的に選ぶ人が増えている」と言い、レモンやライム、ジンジャエールなどのチョイ足しを提案。京王プラザホテル(東京都新宿区)のスカイラウンジ「オーロラ」のバーテンダー大塚慎一郎さんが、家庭で作れるノンアルビール・カクテルを紹介しています。
(2017年2月26日朝日新聞デジタル)
(写真は、スーパーに並ぶ各社のノンアルビールです)
「おいしくなった」消費者の声9割
これは毎週日曜日に更新される「くらしの扉」欄の記事です。バーテンダーの大塚さんが提案するノンアルビールカクテルは3種類。1つめはノンアルビールとノンアル赤ワインとオレンジを1対1で割った「ビアテイスト・サングリア」。ルビーのような色が美しいそうです。2つめの「ゆずバレリーナ」はゆずジャム入り。ノンアルビールの黄金色がきれいに見えるそうです。3つめの「ビアベリーニ」はイチゴシロップと桃のジュースで桜色に。春らしくていいですね。
サントリーが昨年実施した5万人対象のアンケート調査で、ノンアルコール飲料を月1回以上飲む人は32%、週1回以上は17%にのぼっています。月1回以上ノンアルビールを飲む人で最近おいしくなったかとの質問に「そう思う」「ややそう思う」が合計93%を占めていました。
健康志向も当たり前
「ノンアルビール、人気高まる 味が進化、『健康』前面に」(2017年1月14日朝日デジタル)によると、サントリービールは、2009年に500万ケース(1ケースは大瓶20本換算)だった市場規模が、2016年には約3.5倍の1770万ケースに拡大したと推計しています(グラフ参照)。やはり、こちらの記事でも「味が進化しているようだ。各社とも研究や商品開発を重ね、ビールの味に近づけたり、飲みやすくしたりと工夫してきた」と分析しています。さらに、各社が「健康」を前面に出した商品を登場させ商品の幅も広がったことも指摘しています。糖質ゼロやカロリーゼロは当たり前だそうで、痛風に関わるプリン体ゼロや、糖の吸収をおだやかにする成分を原材料に加え、「食後の血糖値を気にする人に適している」とうたって、特定保健用食品(トクホ)を取得したノンアルビールも登場しています。
経済・マネーだけでなく、くらしも注目
このコーナー「業界研究ニュース」でも、「高齢化・人口減に苦しむビール業界」(2017年1月17日)で、ビール・発泡酒・第3のビールの出荷額が2016年に初めて前年割れしたことを紹介しています。そんな状況の中、ノンアルビールは伸びしろがまだまだあると踏んで、ビール各社は顧客の新しいニーズを掘り起こそうとさまざまな提案をしています。
業界を取り巻く話題は、経済・マネーだけではなく、くらしの欄に出ていることもあります。業界研究のタネはいろんなところにありますよ。