株をめぐる外食業界のドラマ
回転ずし最大手の「あきんどスシロー」の持ち株会社、スシローグローバルホールディングス(HD)が東京証券取引所に株式を上場します。3月30日付です。
あきんどスシローは2003年、同取引所2部に上場しましたが2009年に上場廃止されました。それから8年ぶりの再上場です。その間には、株をめぐる外食業界のドラマがありました。
(2017年2月22日朝日新聞デジタル)
回転ずし最大手の「あきんどスシロー」の持ち株会社、スシローグローバルホールディングス(HD)が東京証券取引所に株式を上場します。3月30日付です。
あきんどスシローは2003年、同取引所2部に上場しましたが2009年に上場廃止されました。それから8年ぶりの再上場です。その間には、株をめぐる外食業界のドラマがありました。
(2017年2月22日朝日新聞デジタル)
株の上場とは、証券取引所で株式が自由に売買できる状態のことです。スシローグローバルHDのサイトによれば、2016年9月期の売り上げは1477億円(2014年9月期1113億円)、店舗数は450店(同336店)にのぼり、業績好調のようです。スシローと、牛丼の「すき家」でおなじみのゼンショーグループ傘下「はま寿司」は、回転ずし界の2強で、しのぎをけずっています。実は、スシローとゼンショーには因縁がありました。2009年のスシロー上場廃止にも、ゼンショーがからんでいたのです。
(写真は、回転ずし誕生当初の様子。1962年「廻る元禄寿司」の道頓堀店。当時は4,5貫載ったお皿も回っていました)
話は10年前にさかのぼります。2007年、スシローの主要な株主がゼンショーに株式を売却、ゼンショーが筆頭株主に躍り出ました。これに対抗して、スシローの経営陣は投資ファンドのユニゾン・キャピタル・グループと提携し、ユニゾンの設立した親会社が株式公開買い付け(TOB)を実施してゼンショー以外の株を取得、スシローを吸収合併して完全子会社化しました。その際、ゼンショーはスシロー株を手放し金銭を得て手を引きました。親会社がスシローの株を全部持ったため、市場で売買する株がなくなり、これが上場廃止基準に該当して、あきんどスシローの上場は廃止されました。
(写真は、スシロー南池袋店の注文用タッチパネルです)
その後、ユニゾン・キャピタル・グループは、スシロー株を英国の投資ファンドのペルミラに売却し利益を得ました。現在はペルミラがスシローグローバルの株式の9割以上を保有しています。上場後、ペルミラの株保有割合は30%を下回る見込みですが、記事は「スシローの好調な業績を背景に高値で株が売れると判断した」と分析しています。スシローはこの10年、株に翻弄され、外資系ファンドは転売のたびに利益を得たといえます。しかし、再上場を果たしたことで、スシローはこれからは株式市場から資金を調達できるようになります。
苦節10年、スシローに春が来たのかもしれません。これを機にさらなる業績アップを狙うでしょう。株式は会社の根幹にかかわります。より深く志望企業を研究するためには、企業サイトの株式情報もチェックしてください。
2024/12/04 更新
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