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2016年12月09日

日南市が日本のシリコンバレーに? IT企業続々進出

通信・インターネット関連

シリコンバレーみたいな商店街? IT企業、なぜ宮崎に

 宮崎県日南市に今年になって進出を決めた企業が7社にのぼっています。その多くが市中心部の油津(あぶらつ)商店街にオフィスを開いたそうです。地方都市のご多聞にもれず“シャッター通り”だった商店街に活気が戻る? それにしてもなぜ日南市なのでしょう。

(2016年12月6日朝日新聞デジタル)

(写真は、東京のIT企業「ポート」が新しく設けた日南オフィスです)

「お役所仕事」でない対応がうけている

 日南市は「日本一、企業と組みやすい自治体」を掲げた崎田恭平さんが2013年に市長に就任してから、がぜん都会のIT企業誘致や移住に張りきったようです。

 日南市の移住促進ウェブサイト

 企業からの質問にも昼夜をわかたずSNSで答えているといい、記事の中で、市商工政策課の主査が、「IT企業は夜の会議で出た質問を真夜中に送ってくる。それを自宅から返信し、内容も市長ら関係職員で共有している」と話しています。この「お役所仕事」でないクイックレスポンスもうけているようです。

地方でビジネスのメリットを発信

 こうしたアイデアを市にもたらしたのは、リクルートでネット広告を担当していたマーケット専門官。地方進出に関心を示すIT企業の財務状況や出資者の傾向を調査し、「企業側が繰り出す専門的な質問や不安に対応してきた」といいます。

 考えてみれば、ITの発達で、なにも東京にオフィスを構えなくても、地方都市でもじゅうぶん仕事はできるし、家賃・物価も安い。給与水準は抑えられ人材確保もしやすい、という利点があります。市役所が緻密なマーケティングをし、的確なネットなどで情報発信をしたたまものといえるでしょう。

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 また、朝日新聞デジタルで「日南市」「IT」で検索してみると、「油津商店街にカープファンの宿」(11月23日)がありました。9月に日南市で開催された学生対象のビジネスコンテストで選ばれたアイデアで、市の補助金やクラウドファンディング、ベンチャーキャピタル、市民からの出資金を集め運営会社を設立したそうです。

 ほかにも「油津商店街に保育施設設置へ」(11月1日)、「日南市、IT人材育成」(8月19日)など、ニュースが続いています。都市と地方の地域格差を埋めるのはITであり、そこに住む人の創意工夫であると、改めて思います。いま新聞の地方版には地方の新しい息吹を伝える記事が増えています。読んでみてはいかがでしょう。

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