森永ハイチュウ、USAを行く 門前払いの試練経て(2016年8月5日朝日新聞デジタル)
ニューヨーク市中心部のマディソン・スクエア・ガーデン。ここを本拠地とするNBA(米プロバスケットボール協会)のニックスの試合では、合間に名物企画がある。
“HI-CHEW”
中央の巨大スクリーンに、森永製菓のソフトキャンディー「ハイチュウ」の商品とロゴが大写しになった。会場にアナウンスが響く。「ここからはハイチュウの提供です」
ニューヨーク市中心部のマディソン・スクエア・ガーデン。ここを本拠地とするNBA(米プロバスケットボール協会)のニックスの試合では、合間に名物企画がある。
“HI-CHEW”
中央の巨大スクリーンに、森永製菓のソフトキャンディー「ハイチュウ」の商品とロゴが大写しになった。会場にアナウンスが響く。「ここからはハイチュウの提供です」
金メダルラッシュのリオデジャネイロ五輪に米大リーグ・イチロー(マーリンズ)の3000本安打と、連日熱いスポーツニュースが続いていますね。スポーツは国民の多くが関心を持つだけに、スポーツと自分の志望業界のビジネスの関連性を考えるくせをつけておくと面接などでアピールする材料になるでしょう。
そこで今回は、朝日新聞に上下編で掲載された「ハイチュウUSA」という記事をとりあげます。日本ではおなじみのハイチュウですが、ここ数年米国でも販路が広がっています。2008年にハイチュウを製造する森永製菓は米国法人を作って進出に乗り出したのですが、最初は販路開拓に苦戦。その転機となったのは、米大リーグ・レッドソックスの田沢純一投手でした。
セットアッパー(中継ぎ)として活躍する田沢投手が、投手陣が練習するブルペンにハイチュウを差し入れたことがきっかけでレッドソックス内にハイチュウブームが起き、大量の注文が来たそうです。森永はサンプル品を提供してスポンサー契約にこぎつけ、それをきっかけに知名度が向上。2013年には米国に工場を造り「メイド・イン・USA」のハイチュウ販売に乗り出しています。
ハイチュウはたまたま田沢投手がファンだったところから突破口が生まれましたが、メーカー側が積極的に選手側に働きかけて知名度をあげていったケースもあります。2016年8月9日朝日新聞デジタルの「リオで商機つかめ」という記事には、寝具(マットレスパッド)メーカー、エアウィーヴのエピソードが紹介されています。もともと漁網のメーカーでしたが、網と同じ樹脂素材で何か作れないかと考えてマットを開発。知名度をあげるため、「世の中で一番まじめに寝ている」五輪選手に注目し、水泳の北島康介選手やフィギュアスケートの浅田真央選手に無償提供。リオ五輪でも日本選手やコーチをはじめ3000人にマットを提供しています。トップアスリートの評価は売り上げ増につながり、5年間でなんと40倍にもなったというから効果は絶大ですね。
いいものをただ作り続けているだけでは売り上げは増えません。効果的に宣伝をすることが大切です。大きなスポーツイベントは、そういった商品の宣伝の場でもあります。自分の志望業界はスポーツイベントとどんな形でかかわれそうか、オリンピックを見ながら頭の体操をしてみましょう。
宣伝に関しては、毎週土曜日の別刷り「be」に掲載されていた家電メーカー「バルミューダ」社長・寺尾玄さんの話も参考になります。そよ風を再現した扇風機を開発したのですが非常に高価で売れず。寺尾さんは家電好きの芸人の所属事務所前に張り込んでその芸人に会い、商品を売り込んで番組に取り上げてもらい、ブレークにこぎつけたといいます。
2024/12/04 更新
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