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2016年03月01日

大手証券が「2連敗」とは?証券会社の仕事内容を研究しよう

銀行・証券・保険

大和証券、大型案件2連敗 日本郵政上場時に続きJR九州も(2016年2月28日朝日新聞朝刊)

 今年最大の新規上場案件とされるJR九州の主幹事証券会社に、業界2位の大和証券グループが選ばれなかったことが、証券界で話題になっている。銀行との連携を強みとする三菱UFJモルガン・スタンレー証券にポジションを奪われた格好だ。

 今秋にも上場する予定のJR九州は、時価総額が最大7000億円程度と見込まれる大型案件だ。大和など国内外10社が応募し、全株を持つ鉄道・運輸機構が、野村証券など5社を主幹事に選んだ。主幹事は株式の売り出しを手がけ、上場後に資金調達を手伝うことも多い。継続的なビジネスが期待できるため、証券会社が獲得を競っている。主幹事の中でも、上場に関しての業務を取り仕切る「グローバルコーディネーター」は野村、三菱UFJ、JPモルガンの3社が選ばれた。

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 本格的な就活がいよいよスタートしました。今も昔も人気の業界と言えば、金融。ですがその中で銀行や保険会社に比べ、証券会社はみなさんにとってあまりなじみがない存在なのではないでしょうか。NISA(少額投資非課税制度)などで株の売買が身近になってきたとはいえ、自分にとっては縁遠い世界、あるいは「お金持ちに営業して株の売り買いをしてもらうビジネス」という程度の印象しかない人も多いと思います。

 もちろんそういったBtoC(個人顧客向け)も重要なビジネスですが、それ以外にも証券会社には様々な仕事があります。今回の記事でとりあげられている「幹事業務」は、証券会社が扱うBtoB(企業間取引)ビジネスの一つ。企業が資金を調達するために株を発行する際、その株を引き受けて客に売り出すのが仕事です。特に、企業が初めて自社の株を株式市場で売り出す「新規上場」のタイミングでの幹事業務は多岐にわたります。その企業が本当にたくさんの人に株を買ってもらえるだけの実力があるのかを見定め、上場企業に求められる様々な条件をクリアしているかをチェックし、上場に向けての事務手続きを代行し、さらに上場後、「もっと資金が欲しい」といった企業の要望にも適宜アドバイスするなど、まさに証券会社としての実力が随所に試される業務といってもいいでしょう。このため、日本で幹事業務を扱っている証券会社の多くは大手なのです。

 日本における大手証券といえば野村証券、大和証券、日興SMBC証券のいわゆる「三大証券」が筆頭とされてきましたが、近年は、みずほ証券や三菱UFJモルガン・スタンレー証券など、メガバンクのグループに属する企業も力をつけてきています。ゴールドマン・サックスやJPモルガンなどの外資系証券も含めると、競争は厳しくなっているようですね。大和証券が日本郵政、JR九州と大型新規上場案件で2連敗したのは、「銀行系列ではないので既存投資家に営業が偏る」といった懸念を払拭できなかったからと記事では指摘しています。金融機関志望の方はぜひこういったニュースに注目して、個別企業の研究を深めていってください。

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