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2016年02月02日

国内大豆が6年間で倍の価格に? ビジネス目線で食品の動き考えよう

食品・飲料

ミツカン、納豆を値上げへ(2016年2月2日朝日新聞朝刊)

 ミツカンは1日、納豆6品目を3月末の出荷分から4~10%値上げする、と発表した。値上げは、1977年に同社が納豆事業に参入して以来初めて。原料の国産大豆の値上がりが原因で、相場は過去6年で倍になったという。

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 納豆だけではなく豆腐、みそ、しょうゆの原料にも使われるなど、大豆を口にしない日はほぼ1日もありません。ですが、その大豆がここ数年急激に値上がりしているというニュースを知っている人はそれほど多くないのではないでしょうか。このニュースも、経済面の片隅に小さく載っていたものです。

 大豆の自給率はここ数年7~8%で大半を輸入に頼っています。アベノミクス以降の円安により、輸入大豆の国内での価格はどんどん上がっています。

 では国産大豆は? こちらも記事にあるとおり、急激な値上がりを見せています。理由のひとつが天候不順。昨年7月、「おかめ納豆」でおなじみのタカノフーズが主力商品の一部を25年ぶりに値上げしましたが、その要因のひとつが異常気象による国産大豆の品薄化でした。もうひとつの理由が、国産大豆ばやり。主要な輸入国である中国の食の安全に対する姿勢が疑問視されるようになり、国産大豆のニーズが年々上昇。自給率も4~5%台からじわじわと上がりつつありますが、それでも需要をまかないきれず、価格の上昇を招いているのです。

 一方で、納豆や豆腐は作っている業者も多く、安直に値上げをすると小売り店がほかの業者に乗り換えてしまうのではという思いから、業者側はなかなか値上げに踏み切れなかったという実情があります。消費者が大豆の値上げになかなかピンとこないのも、このあたりに理由がありそうです。

 ですが、その企業努力もそろそろ限界に近づいてきたようです。また、「国産大豆使用」という謳い文句は今や、消費者にとって非常に魅力的なキーワード。少々の値上げをしてもダメ-ジにならないのでは、という思惑もあり、今回のような値上げは今後も続くのではないでしょうか。

 食品メーカーを志望する人は多いと思います。「食べることが好きです」という熱意を持つことも大切ですが、せっかく志望するのならその取り扱っている商品の価格はどのように決められているのか、どういった要因が商品の価格を変動させているのか、ビジネス的視点で食品業界を見るトレーニングをしてみてください。新聞の経済面を細かくチェックしていくと、ヒントはたくさん転がっていますよ。

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