星野リゾート、都市にも 地方4ホテルを400億円で買収(朝日新聞2015年10月24日朝刊)
全国で高級なホテル、旅館を運営する「星野リゾート」(長野県軽井沢町)が、地方都市で都市型ホテルの経営に乗り出した。背景には、観光客の行動や好みの変化がある。市街地のホテルに泊まって温泉や観光地を周遊する需要が高まっており、都市観光を収益の柱の一つに加える。
全国で高級なホテル、旅館を運営する「星野リゾート」(長野県軽井沢町)が、地方都市で都市型ホテルの経営に乗り出した。背景には、観光客の行動や好みの変化がある。市街地のホテルに泊まって温泉や観光地を周遊する需要が高まっており、都市観光を収益の柱の一つに加える。
「就活ニュースペーパー」内の「今日の朝刊」や当欄でも何度かお伝えしていますが、新聞や経済誌などに掲載される会社トップのインタビューは会社研究に欠かせないツールのひとつです。今日は2つの記事を紹介します。
一つ目は、全国で高級ホテルや旅館を経営する「星野リゾート」の記事。軽井沢の温泉旅館を家業として受け継ぎながら一代で大きく全国展開させた星野佳路(よしはる)代表のことは知っている人も多いのではないでしょうか。この記事では、高級感を売りに温泉地や地方都市で旅館を展開してきた星野リゾートが福岡や金沢など4都市のシティーホテルを買収したことの狙いについて触れています。
星野代表は「こだわり」の人です。経営者は多かれ少なかれこだわりを持った人が多いでしょうが、星野氏はその「こだわり」こそが日本のレジャー業界で生き残るカギだと明確に打ち出しているのです。記事についているインタビューで星野氏は東京・丸の内に温泉付き日本旅館を開業する狙いについて、「このビジネスモデルで、2020年代前半からニューヨークやロンドン、パリなど、世界の大都市に展開したい。日系ホテルが海外進出で失敗したのは、西洋のホテルのまねごとをしたから」とし、成功のカギについては「マーケティングをして顧客のニーズを聞いていると、競合他社と同じものになる。こだわりがないと独創性は出てきません」と「こだわり」の重要性を強調しています。
星野リゾートの高級旅館「星のや」にはテレビがありませんが、2014年4月2日のインタビューで星野代表は「非日常を体験するのにテレビがあってはいけない。西洋のホテルには絶対できない」と断言しています。サービス業においては顧客のニーズをくみ取ることが最優先と思われがちですが、星野リゾートはそこに信念を持って逆行しているわけです。この理念に共感できるかできないかで、星野リゾートへの入社意欲や面接突破の可能性は大きく変わると思いませんか。
一方、2015年10月27日の朝日新聞朝刊にはスーパーゼネコン・大成建設の新社長・村田誉之(よしゆき)氏のインタビューが載っています。もともと団体行動が苦手、20代後半にはマレーシアでのビル建築現場で現地作業員と胸ぐらをつかみあったこともあるといい、「苦労があって成長がある」という持論を掲げています。そのスローガン通り難工事とされるリニア中央新幹線の南アルプストンネルを受注し、新国立競技場にも「ぜひやりたい」とメッセージを発信して受注に強い意欲を見せています。
大成建設はスーパーゼネコンの中では唯一、経営の実権を特定の一族が占めない「非同族企業」。そういった背景や一連の社長のコメントから、会社のスタンスや雰囲気をなんとなく感じることができそうですね。企業研究にぜひ役立ててください。
2024/10/13 更新
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