整備新幹線前倒し、新たに840億円投入(1月15日朝日新聞朝刊)
政府と与党は14日、整備新幹線についての検討委員会を開き、北海道新幹線(新函館北斗―札幌)を5年、北陸(金沢―敦賀)を3年、九州(武雄温泉―長崎)を可能な限り、それぞれ前倒しして開業させることを正式に決めた。2015年度から16年間で、国と地方で約840億円の税金を新たに投入する。
政府と与党は14日、整備新幹線についての検討委員会を開き、北海道新幹線(新函館北斗―札幌)を5年、北陸(金沢―敦賀)を3年、九州(武雄温泉―長崎)を可能な限り、それぞれ前倒しして開業させることを正式に決めた。2015年度から16年間で、国と地方で約840億円の税金を新たに投入する。
新年度の政府予算案が決まりました。どの予算項目も、私たちの生活に密接に関わりますが、とりわけ産業界からの関心が高い話題の一つが、新幹線の整備でしょう。記事によれば、関連予算はこうです。
「整備新幹線は、延伸する区間の開業を一部前倒しするための建設費754億円を盛り込んだ。工事を急ぎ、北海道(新函館北斗-札幌)は5年、北陸(金沢-敦賀)は3年早い開業を見込む」
さて言うまでもなく新幹線は、日本が世界に誇る技術です。毎日の分刻みのダイヤは正確を極め、乗り心地はとても快適。安全性も折り紙つきですから、私たち日本人はつい、こう想像しがちです
「日本の鉄道製造などの技術は、どんどん海外に輸出され、海外でも成功しているだろう」
ところが、現実は大違い。日本の鉄道ビジネスは、実は海外では非常に弱いのです。ではいま、世界の鉄道市場はどうなっているのか。2014年10月3日の「今日の朝刊」(鉄道メーカー、協力して海外進出!)でも触れましたが、改めてこの機会に整理しておきましょう。
これまで世界のシェア争いでは、「ビッグスリー」と呼ばれる欧米系メーカーの独壇場でした。ビッグスリーとは、ボンバルディア、シーメンス、アルストム。かつてはこの3社だけで、世界の鉄道製造の半分以上を占めていました。
そして今、この構造が大きく変わりつつあります。中国企業が急成長し、中国北車集団と中国南車集団という2大メーカーが欧米系のビッグスリーをはるかにしのぐまで巨大化しました。ほかにも、ロシアのトランスマッシュなどが好調です。
これらに比較すると、残念ながら日本のメーカーは世界的に見てかなり小規模で、世界進出の動きも遅れています。
日本の新幹線車体を製造しているのは、日立製作所、川崎重工業、三菱重工業など。このうちいちばん元気なのは日立製作所でしょうか。最近はイギリスでの高速鉄道建設をめぐって競り勝ちました。
さあ、この勢いを維持して、さらに発展できるのか。新興国の経済成長にともない、海外には広大な鉄道市場が広がっています。日本企業の奮闘に期待したいところです。
2024/11/05 更新
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