いつも心にエンジェルを。
今年の終戦記念日、アジア太平洋戦争中、徴兵されて不足する男性運転士に代わって、広島で路面電車の運転士をしていた女子学生のドラマ「一番電車が走った」を見ました。男性がいないから、という身も蓋もない理由で「女性活用」されるのはとても悲しい。しかし、女性が自由な職業選択の結果として、これまで男性中心だった職場で働くことは、苦労以上のやり甲斐を感じるものではないでしょうか。
今年の終戦記念日、アジア太平洋戦争中、徴兵されて不足する男性運転士に代わって、広島で路面電車の運転士をしていた女子学生のドラマ「一番電車が走った」を見ました。男性がいないから、という身も蓋もない理由で「女性活用」されるのはとても悲しい。しかし、女性が自由な職業選択の結果として、これまで男性中心だった職場で働くことは、苦労以上のやり甲斐を感じるものではないでしょうか。


今回紹介する東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)は、知る人ぞ知る、女性活用が進んでいる鉄道会社です。2015年7月現在、山手線だけでも車掌の約4割は女性、駅長も11人います。(企業ロゴ=JR東日本提供)
1999年に女性の深夜勤務などの規制が撤廃されたのを機に、鉄道事業に配置する女性社員の採用を拡大し、2000年から乗務員への運用をスタートしました。これまで男性しかいなかった職場に、女性用の宿泊施設などを整え、女性を配置してきましたが、女性比率は依然として低く、同社は女性が働き続けられるように抜本的な対策を迫られました。
2012年6月からダイバーシティ推進グループ課長を務める松澤一美さん(左写真)は、1991年に入社。自分が配属されるたび、その部署に女子トイレができる、というような同社の女性活用の草創期を経験してきました。先例がないことで、かえって新しいことにチャレンジしやすかったと言います。特に、同社が1996年から進めてきた「駅型保育園」など沿線での子育て支援施設の開設事業を長く担当。2009年当時20カ所だった施設を3年で40カ所に増やすなど、事業拡大に貢献してきました。いまでは子育て支援施設は累計で80カ所、さらなる拡大を目指しています。
松澤さんは「我が社にはこの職種の人しか使えないという制度はありません。働くということにおいて平等主義が徹底している。部署内で調整は必要ですが、どの部署の人でも制度は同じように使えます。もちろん現場などで女性社員が時短勤務を利用することで、例えば忙しいラッシュ時に乗務しないなどの経済的ロスが出たりするのは事実ですが、『ダイバーシティ推進のためには超えねばならぬ壁』というトップのメッセージが一貫しているので、現場で話し合い、工夫してくれています」と話します。(写真はJR東日本の新幹線車両)
徹底した取り組みが社外からも評価されて、2012年には厚生労働省のファミリーフレンドリー企業部門の厚生労働大臣優良賞、均等推進企業部門の東京労働局長優良賞をダブル受賞。2015年には鉄道事業者として初のダイバーシティ経営企業100選にも選ばれています。





