いつも心にエンジェルを。
深夜残業したら、翌日は遅出で――。働く人にとって、うれしい制度が少しずつ広がっています。私自身、記者、編集者職が長かったので、20代、30代は会社で夜明けを迎え、シャワーと着替えのためだけに帰宅し、1、2時間仮眠して再び出社ということも日常茶飯事だったのですが、さすがにそんな働き方はもうできません(体力的にも精神的にも)。
深夜残業したら、翌日は遅出で――。働く人にとって、うれしい制度が少しずつ広がっています。私自身、記者、編集者職が長かったので、20代、30代は会社で夜明けを迎え、シャワーと着替えのためだけに帰宅し、1、2時間仮眠して再び出社ということも日常茶飯事だったのですが、さすがにそんな働き方はもうできません(体力的にも精神的にも)。


今回紹介するのは、前の終業から次の始業までの間に一定の休息を取らせる「勤務間インターバル」についてです。今年7月、前回このコラムで紹介した通信大手のKDDIでも「8時間以上の休息確保ルール」がスタートしました。管理職を除く社員約8000人(契約社員含む)が対象です。
といっても8時間では、通勤や食事の時間を除くと十分な休息時間が取れない可能性もあります。そのため、「健康的に働くための指標」として、管理職も含め、約1万2000人の社員を対象に、「11時間以上のインターバル」を推奨しています。インタ-バルが8時間ギリギリの日が続かないよう、休息が11時間を下回った日が1カ月に11日以上あったら、健康状態の確認のために本人面談をしたうえで指導、上司にも注意を促します。部署単位で残業が目立つ場合は是正勧告をします。
残念ながら日本ではまだそこまでは進んでいませんし、今回のKDDIの「勤務間インターバル」にも罰則規定はありませんが、極端な働きすぎを防止するには一定の効果がありそうです。労働政策に関する重要事項について、有識者、使用者代表、労働者代表の各10人で審議する厚生労働省の労働政策審議会でも、この「勤務間インターバル」制度はたびたび議題になっています。成り行きにぜひ注目してください。





