いつも心にエンジェルを。
就活関係の取材をしていると、いろんなところで最近の女子学生は「幻の赤ちゃんを抱いて就活している」という話を聞きます。つまり、将来、出産するかどうかもわからないのに、母親になっても働き続けられる会社かどうかを気にしている、という意味です。企業やキャリアセンターの人は「そこまで考えないで、もっと今、自分はどうしたいのか」を考えて会社選びをしてほしいという、やや否定的なニュアンスで使っていましたが、私は女子学生の慎重になる気持ちもよーくわかります。私は共働き家庭で育ったのですが、小さいころから母親から、「手に職をつけなさい」と言われ続けました。「経済的自立」をしていないと、夫と離別、死別したら貧困が待っていると心配していたのだと思います。何事も「備えあれば憂いなし」です。
就活関係の取材をしていると、いろんなところで最近の女子学生は「幻の赤ちゃんを抱いて就活している」という話を聞きます。つまり、将来、出産するかどうかもわからないのに、母親になっても働き続けられる会社かどうかを気にしている、という意味です。企業やキャリアセンターの人は「そこまで考えないで、もっと今、自分はどうしたいのか」を考えて会社選びをしてほしいという、やや否定的なニュアンスで使っていましたが、私は女子学生の慎重になる気持ちもよーくわかります。私は共働き家庭で育ったのですが、小さいころから母親から、「手に職をつけなさい」と言われ続けました。「経済的自立」をしていないと、夫と離別、死別したら貧困が待っていると心配していたのだと思います。何事も「備えあれば憂いなし」です。


でも、幻の赤ちゃんより、もっと大切なのが、ダーリン(伴侶)選びです。先日、あるドキュメンタリー映画を見て、そのことを痛感させられました。
上野さんによると、ウーマンリブの女性たちの合言葉は「一人一殺」。どんなにがんばっても女性を男性と対等の一人の人間と認めてくれない当時の社会に苦しみながらも、せめて、自分のパートナーだけでも、女性としての幸せと、全体重をかけて、リベラルな男性に「転向」させたいという思いがつまった言葉です。そのテーマに挑んだ女性のごく一部が成功し、多くは離別という道をたどったといいます。
映画の中に登場するフェミニストの一人、主婦の再就職問題について長年取り組んできた桜井陽子さん(現・世田谷区立男女共同参画センター館長)のエピソードには身の引き締まる思いがしました。1947年生まれ、団塊の世代です。結婚、出産を経て、編集プロダクションで働いていた桜井さんは、当時、夫婦できっちり家事当番を決めていました。夫(桜井さんは「彼」と表現されています)が料理当番の日に帰りが遅くなったときは、子どもと一緒にお腹を空かしながら待ち続けたそうです。手を出さずに我慢するのもしんどかった、と当時を振り返っていました。(写真は1991年当時の桜井さん)
キャー、言ってみたい! でも、その言葉の背後で、気の遠くなるような諍(いさか)いや論争が繰り広げられていたことは想像に難くありません。夫には変わってほしい、でも家庭内で論争するのはイヤ、という根性なしの私に、上野さんは「自分の男ひとり変えられない女は社会なんて変えられないわよ」とバッサリ。さらに「要求しないで男が自発的に変わってくれるなんてありえない。要求して、要求し続けて、ようやく言われたことだけ少しやる、もしくは要求してもやらないのが男です」(写真は上野さん)。





