いつも心にエンジェルを。
子どものころ、小学校の児童会や中学校の生徒会では、なぜだか男子が会長、女子が副会長というパターンが多かった記憶があります。そんなのはもう古い話かな、と思っていましたが、上場企業で女性社長や女性役員が誕生するとまだ大きな話題になります。国会議員に占める女性の割合も10%に届きません。
子どものころ、小学校の児童会や中学校の生徒会では、なぜだか男子が会長、女子が副会長というパターンが多かった記憶があります。そんなのはもう古い話かな、と思っていましたが、上場企業で女性社長や女性役員が誕生するとまだ大きな話題になります。国会議員に占める女性の割合も10%に届きません。


同じように大学を卒業し、正社員として入社しても、十数年後、男女で昇進に差がつくのはなぜでしょう? 「女性は男性より能力が劣るから」などという企業はほとんどなくなっていると思います。しかし、女性活用が進まない理由を、「女性社員は管理職にふさわしい経験が少ない」、あるいは「女性自身がキャリアアップを望まない」と話す企業の担当者は少なくありません。もちろん、育成もせずにいきなり女性を高い地位に抜擢しても失敗に終わるだけ、ということはみんなわかっています。
「経験が足りないなら、経験させればいいじゃないか」という当たり前の発想で、女性活用を進めている企業があります。今回紹介する株式会社IHIは、1853年、ペリー来航をきっかけに徳川幕府が開設した造船所が源流という総合重工業メーカーです。いまでは発電所に高速道路、宇宙開発まで、幅広い事業を展開しています。社員数は1万1949人、そのうち約13%、1587人が女性です。(左写真は同社が施工した明石海峡大橋)
重工業というと「男性社会」のイメージが強い業界ですが、実際には女性社員に対し、手厚い支援がたくさんあります。育児休業は保育園の入園環境が整うまで最長で子が3歳の4月末日まで取れますし、短時間勤務も小学校卒業まで選択できます。有給休暇以外にも子の育児、看護のために使える「チャイルドケア休暇」もあります。2008年の制度導入時は就学前までの年に20日間だったのが、2014年に小学校卒業までに延長され、さらに2015年4月から25日間に拡大されました。
ターニングポイントは2007年ごろ。同じような価値観、背景をもつ社員ばかりがいるモノカルチャーの組織では、意見の摩擦が少なく変化に対応できないだけでなく、コンプライアンスの面でももろい部分がある、と当時のトップが実感したのが大きいといいます。
人材開発グループのグローバル・ダイバーシティ担当部長の三樹あずささん(左写真)はいいます。
女性が管理職になっても、会社のフォローは終わりません。女性管理職の上司と人事部の担当者2名が年に1回三者面談をして、その女性管理職のキャリアについて1時間じっくり話し合います。今の部署でもっと経験を積ませるか、他の業務を経験させるか、本人の希望も踏まえながら異動の橋渡しもします。





