いつも心にエンジェルを。
組織を活性化するには、その組織におけるマイノリティの構成比が30%以上必要である、という理論があります。提唱したアメリカの経営学者の名前をとって「カンター理論」と呼ばれています。そんな発想のもと、2000年から新卒で総合職を採用する時、30%以上を女性にするという取り組みを続けている企業があります。もちろん内定辞退などで多少の変動はあります。その結果、取り組みを始めたころは10人しかいなかった女性管理職は、13年後、88人にまで増えていました。実に9倍です。しかも女性管理職の約4割はワーキングマザーです。
組織を活性化するには、その組織におけるマイノリティの構成比が30%以上必要である、という理論があります。提唱したアメリカの経営学者の名前をとって「カンター理論」と呼ばれています。そんな発想のもと、2000年から新卒で総合職を採用する時、30%以上を女性にするという取り組みを続けている企業があります。もちろん内定辞退などで多少の変動はあります。その結果、取り組みを始めたころは10人しかいなかった女性管理職は、13年後、88人にまで増えていました。実に9倍です。しかも女性管理職の約4割はワーキングマザーです。


今回紹介するのは、高機能繊維や電子材料、ヘルスケアなど多角経営をしている化学大手、帝人グループです。制度などを共有する主要グループ企業5社の社員数は7550人、そのうち約2割にあたる1443人が女性です。平均勤続年数は男性17年8カ月、女性15年8カ月と男女差は比較的小さく、経済産業省のダイバーシティ経営企業100選にも選ばれています。
2000年には専任組織、2007年に人財部にダイバーシティ推進室ができました。3代目室長の日高乃里子さん(写真)は女性活躍委員会の初代メンバーの一人です。
2001年には退職者再雇用制度も作りました。夫の海外転勤などを理由に退社をした女性社員をまた正社員として再雇用する制度です。日本の企業ではいったん退職した女性の再雇用というと非正規扱いになるなど、労働条件が悪くなることが一般的ですが、同社では退職時の労働条件が引き継がれます。再雇用後に管理職になった女性社員もいます。2008年には在宅勤務制度もできました。週2回まで利用できます。男性社員も利用しています。
日高さんは言います。「ないのは社内託児所だけ、というくらい制度は整っています。だからどんどん休んでくださいというのではなく、この制度を使って人生をしっかりマネジメントしてほしい。体を休めることもマネジメント、どんなに忙しくても親兄弟とちゃんと仲良く、というのも子育てや介護、老後のためのマネジメントです」





