いつも心にエンジェルを。「公私混同」……。だいたいよくないことに使われる四字熟語ですよね。しかし経営者の公私混同が働く社員にとってもウェルカムだったという、ややレアなケースもあります。
今回紹介するのは、ニコニコ動画などのサービスを運営するドワンゴです。社員数は約1000人、男性社員が77%と、女性比率はそう高くありません。しかも社員の平均年齢は31~32歳と若いので、育児する女性社員に対する施策は法定をやや上回る程度で、充実とまではいえない環境です。
略歴
2015年01月29日
いつも心にエンジェルを。
同社の保育園の場合、対象は満1歳から2歳の3月までの乳幼児で、保育時間は9時~19時、現在の園児は4人、定員は10人です。運営費の一部は会社が負担し、社員は割安に利用できます。通勤時の荷物を減らすため、着替えなどを園で洗濯してくれるランドリーサービスも利用できます。至れり尽くせりですね。何より、「復帰はしたいけど、子どもが小さいうちはできるだけそばにいたい」というママ社員の、やや背反する思いをかなえるスペースとしても喜ばれています。
同社人事部長の野々垣尚志さん(左写真)は言います。「昔はサブカル的イメージで男性中心の企業でしたが、創業19年目を迎え、ここ数年、女性社員にも長く働く、という文化が芽生えてきました。それなのに保育園が見つからないという物理的な事情で復帰できない女性社員が多かった。市場のニーズなどに合わせてビジネスや体制が変化する会社なので、制度上は満3歳まで育休が取れますが、現実的に考えると2年も休むと、キャッチアップできなくなる。自分のいた部署がなくなっている可能性すらあります。早めに復帰したほうが、労使双方にメリットがあるので、社内保育園は地元の保育園に空きが出るまでの緊急避難として非常に有効だと考えています」
2014年4月には福利厚生の一環として「社内美容室」が誕生しました。表参道の有名美容室の支店です。もちろん会社の補助もあり、通常より割安。21時まで営業、カット、パーマ、シャンプー、ブローだけでなく、ヘッドスパなどのメニューがあり、休みの日に美容室に行く時間を作りにくいママ社員に愛用されています。保育園と違って、こちらは川上会長もよく使っているそうですよ。
2025/12/05 更新
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