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2014年07月29日

ダイハツの新型コペン、受注好調

自動車・輸送用機器

新型コペン、受注好調 (7月23日朝日新聞朝刊)

 ダイハツ工業は22日、軽自動車のオープンスポーツカーの新型「コペン」が、発売1カ月で4000台受注したと発表した。計画の約6倍。新型コペンは6月19日発売で、車両価格は税込み179万8200~181万9800円。

【目のつけどころ】 売れ筋の変化

 経済は、まさに生き物。とりまく環境の変化によって、競争に勝ち抜いて生き残ることのできる商品の顔ぶれも変わります。そんな実感を強くするのが、今回のニュース。いま、軽乗用車が売れています。

 背景にあるのは、上昇を続けているガソリン価格でしょう。日本エネルギー経済研究所の7月上旬の発表によれば、ガソリンスタンドでのレギュラーガソリンの価格は11週間連続で値上がりし、1リットルあたりの全国平均価格は169.7円になりました。すべての都道府県のガソリン価格が165円を超えるのは、5年10カ月ぶりだそうです。

 こうした状況に、「車の売れ筋」も敏感に反応しています。ダイハツの「コペン」は、6月に発売をスタートした時点では、月間販売目標は700台でした。しかし1カ月間の注文数は、この6倍の4000台。さしずめ「うれしい誤算」といったところでしょうか。

 もちろん軽乗用車人気のニュースは、これだけではありません。前々週にはこんな話題もありました。「自動車販売数、軽が5年ぶり首位」。今年上半期の1~6月にもっとも売れた車は、やはりダイハツの軽乗用車「タント」でした。軽が上半期トップになるのは、2009年のスズキ「ワゴンR」以来とのこと。売れた理由も「税金などの安い維持費に加えて、燃費の良さ」と分析されています。

 いま、自動車メーカーはこの「燃費競争」を激しく展開しています。マツダは「割安な軽油を燃料にするディーゼル車の需要が高まっている」として、普通車では最安の170万円というディーゼル車「デミオ」を投入するそうです。

 エコカーというと、ハイブリッドカーや電気自動車に注目が集まりがちですが、このように軽乗用車やディーゼル車もがんばっているのですね。日産自動車が軽乗用車の自社生産を検討するなど、各社にさまざまな動きがあります。注目しましょう。

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