
■岡野さんの就活
──岡野さんは2015年に大学を卒業して入社されましたが、就活ではどういった業種を受けられたのですか。
岡野 私は経済学科の出身で、ゼミでは統計学を学び、数字を見ることが好きだったので金融業界を考えていました。一方で就活の軸として例えばメーカーとか1つの領域に携わるのではなく、広くいろいろな産業と携われる仕事をしたいとも考えていたので、銀行、商社、損保会社を見ていきました。広く就職活動していく中で、損保会社は経済的な支援だけではなく、しっかり企業と伴走してビジネスパートナーとしていろいろな挑戦を支えていくところが魅力だと感じました。
──三井住友海上を選ばれた理由は何でしょうか。
岡野 月並みですけど、やっぱり人で選んだのかなと。一番感じたのは就職活動や面接で、すごく学生に対してフラットに接してくれたんですね。包み隠さずいろいろな会話をして、自分の個性もいろいろ出せました。多分、仕事をしていく上でもそういう環境でできそうだ、とすごく感じました。
──同業他社との違いは意識されましたか。
岡野 一番感じたのは、ASEAN地域に強いことです。また、当社の社員は誠実な人がすごく多かったというところも感じていました。
■岡野さんのこれまでの仕事
──官公庁担当を長くされていますが、具体的にはどういう仕事ですか。
岡野 官公庁の営業は政策に沿って新しいチャンスが生まれたときに、営業はもちろん、制度の開発、商品の開発に生かしていくという営業推進や開発のような機能も持っていました。単なる営業ではなく、国の動向を把握するために官公庁に出入りして、意見交換、情報収集をするという活動もしていました。
──一番、大変だったことは何ですか。
岡野 業界全体をカバーする保険制度というのがあって、たとえば建設業マーケットでいうと、各地の建設業者が加入している協会の保険制度を我々が幹事会社として引き受けています。その制度の開発や推進を担当していましたが保険の規模が大きく、建設業者各社が「こんなリスクがある」「ここを補償してほしい」「保険料を値下げしてほしい」などいろいろなニーズを持っているなかで、赤字にならないよう大きなポートフォリオを運営してくことが大変でした。制度が大きければ大きいほど、何をすべきかは我々が決めなければいけないので、お客さまに納得してもらって制度を活用してもらわなければいけません。月並みですが、関係をしっかり築いてちゃんと懐に入り込んでいくことを心がけていました。毎年全国行脚して、実際に業者の方々の話を聞きに行っていました。
──ただニーズを聞くだけではなく、赤字にならないよう運営していかなければいけない。相手に理解してもらうのも大変だったと思いますが、どのようにそこを乗り越えましたか。
岡野 ポイントはやっぱり特定のマーケット、建設業だったら建設業の知識を蓄えることです。対等に話すにあたっては、専門的な話も出てきますので、そこについていけるだけの勉強はすごくしました。
──リスクに関するコンサルティング、マネジメントというのが御社の仕事と思うんですけど、いろんな事業のお話を「ここがリスクだな」と判断しながら聞いてらっしゃるわけですか。
岡野 いえ、私自身はフラットに話を聞き、あまり「これがリスクだな」という固定概念は持たないようにしています。お客様が感じているリスク、保険会社から見たリスクを総合的に判断しなければいけないので、「保険会社の人間」にならないように幅広くヒアリングします。リスクがあれば我々が補填するのが当然なんですが、このリスクは協業パートナーがいればいいとか、自社の保険サービスで解決しなくても済むとかいろいろなパターンがあるので、保険にこだわらず広くリスクマネジメントする気持ちで企業の人を支える役割と考えています。
──お仕事をされている中で大事にされていることは。
岡野 何よりも、誠実な人間であることを意識しています。お客さまに対しては我々は対等な関係であると思っていますので、常に誠実な対応を心がけています。いろいろな要望を受けますが、できること、できないことはある。仮に要望が受けられなくても単純に「できません、無理です」というだけでなく、誠意をもってなぜできないかをお伝えしたいと思っています。お客さまが話しやすい、相談しやすい社員になれるよう、自己研鑽をしてお客さまの特性に合った専門領域の勉強をすることも心がけています。