スマホえんきん、発売へ
ファンケルヘルスサイエンスが、スマホによる眼の疲れを和らげる機能性表示食品「スマホえんきん」を発売します。目の疲労感を緩和する成分アントシアニンを配合し、「スマホ老眼」に悩む20代~40代の若年層をターゲットにするそうです。ヒット商品「えんきん」のシリーズとして、若い人たちも取り込もうという企業戦略が見えます。
(2017年3月15日朝日新聞デジタル)
ファンケルヘルスサイエンスが、スマホによる眼の疲れを和らげる機能性表示食品「スマホえんきん」を発売します。目の疲労感を緩和する成分アントシアニンを配合し、「スマホ老眼」に悩む20代~40代の若年層をターゲットにするそうです。ヒット商品「えんきん」のシリーズとして、若い人たちも取り込もうという企業戦略が見えます。
(2017年3月15日朝日新聞デジタル)
「えんきん」は40代以降の眼のピント調節の衰え、すなわち老眼が気になる層向けとして2015年に発売され、「昨年末までに514万個を販売する大ヒット」(同社のニュースリリースによる)の商品です。
大ヒットをさらに大きくするには、どうすればよいか、だれもが考えることですね。ファンケルの通販サイトを見ると、「スマホ・パソコンで1日中がんばる目に!」として、こんなキャッチフレーズをうたっていました。「年齢のせい…だけじゃなかった! もしかして“スマホ『労』眼”かも」。そして、この「労」眼は「最近では20~30代や、子どもにまで増加していると言われます」と書いています。明らかに、若めに狙いをシフトしていますね。
これまでの「えんきん」一本槍で新しいマーケットを開拓するのでなく、派生商品を新発売し、アプローチの機会を広げようというわけでしょう。
「スマホえんきん」の発売発表に先立って、ファンケルは「疲れ目アンケート」の結果を発表しています。インターネットによる約1万人回答の調査で、目の疲れを感じている人は86.2%にのぼり、その原因として自覚している第1位は「パソコン、スマホによる疲れ」の56.4%。第2位の老眼13.4%を大きく引き離していたという結果を紹介しています。
さらに、20~40代の層に疲れ目が多く、「目がしょぼしょぼする」「目が乾く」「目がかすむ」という症状が上位を占めていて、これは「眼科専門医が指摘する『スマホ老眼』の症状と一致していることがわかった」と指摘しています。この調査結果の分析にも、目が気になる若い層を新商品に誘う意図が見えるようです。
既に売られている「えんきん」は、北欧産ブルーベリーや黒大豆から取れるシアニジン‐3‐グルコシド、ホウレン草などに含まれるルテイン、サケやイクラに含まれる色素アスタキサンチン、青魚のDHAが有効な成分としています。
一方の新商品「スマホえんきん」は、ビルベリーのアントシニンをあげています。ターゲット層を分け、中身の成分も違うのですが、同じ「えんきん」の名前を冠しています。「えんきん」シリーズが、消費者の間でさらに存在感を増せば、企業の思惑は当たるでしょう。小さな新商品の記事の中から企業のビジネス戦略を考えてみるのも企業研究です。
2024/11/21 更新
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