世界最大の旅客機A380を3機投入
「空飛ぶホテル」と呼ばれる欧州エアバスの新型「A380」が2019年春、全日本空輸(ANA)の東京(成田)―ハワイ(ホノルル)線に就航します。ANAはA380を3機購入し、すべて同線に投入する方針。A380は総2階建てで500席以上ある世界最大の旅客機です。
(2017年3月7日 朝日新聞デジタル)
「空飛ぶホテル」と呼ばれる欧州エアバスの新型「A380」が2019年春、全日本空輸(ANA)の東京(成田)―ハワイ(ホノルル)線に就航します。ANAはA380を3機購入し、すべて同線に投入する方針。A380は総2階建てで500席以上ある世界最大の旅客機です。
(2017年3月7日 朝日新聞デジタル)
A380については昨年、「エアバス、A380の生産大幅減へ 航空会社の戦略変化」(朝日新聞デジタル2016年7月14日)という記事がありました。記事によると、エアバス社は2015年に27機だったA380の世界の航空会社への納入数を、2018年以降は12機にし、生産ペースを大幅に引き下げます。
世界の航空会社は中・小型旅客機で便数を柔軟に調整する戦略に軸足を移していて、需要の変化に柔軟に対応するためとしています。
ANAのA380の導入は、「大型から中・小旅客機へ」という世界の航空会社の潮流とは違う選択ですね。燃料費などのコスト高にもつながります。にもかかわらずA380を東京―ハワイ線に3機も投入するのはなぜでしょうか。
東京―ハワイ線はもともとJALが得意とする路線で、ANAは後塵(こうじん)を拝してきました。A380はこれまでANAがこの線に使ってきた機首の倍以上の席数があり、1便当たりの輸送量を倍増してJALを追撃するかまえなのです。ファーストクラスも設けて富裕層を取り込むねらいもあるそうです。
A380を巡っては、2年前、低料金が売りの航空会社スカイマークが6機購入を決めながら燃料代高騰などを理由に断念し、違約金の支払いが経営破たんの引き金をひいた経緯がありました。そのスカイマーク再建を主導したのがANAホールディングスです。当時、再建の主導権をめぐってANAは米国デルタ航空と争っていました。どちらが勝つか。そのキャスティングボートを握っていたのが、スカイマークの大口債権者であるエアバス社でした。
エアバス社は、世界的に売りにくくなってきたA380購入をANAに期待していました。A380購入の背景には、こんな裏事情もあったようです。人気のエアラインのライバル同士の駆け引きは、過去の新聞記事からも読み解けます。
(写真は2014年に試験飛行したスカイマークのA380。垂直尾翼に同社のシンボル、星マークが描かれています。計画通りなら日本の航空会社初のA380のはずでしたが、その後断念されました)
2024/11/21 更新
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