人事のホンネ

人事のホンネ

 連休も終わり面接が本格化しています。「人事のホンネ」特別編の第3回のテーマは、初期の選考で多くの企業が実施するグループディスカッション(GD、集団討論)。企業は学生のどこを見ているのでしょう。評価のポイント、NGな受け答えは? 数年前のインタビューもありますが、大事なポイントは変わりませんし、各社に共通しています。(編集長・木之本敬介)

(写真は、大学での模擬グループディスカッション=画像を処理しています)

集団の中での「振る舞い」見る

 そもそも企業はなぜGDをするのでしょう。一度に5~8人が参加するGDは、個別に会う個人面接よりも効率的に選考できることですが、それだけではありません。

凸版印刷】出来るだけ多くの人に会いたいので、大勢を受け入れるためにやっています。学生同士で話をさせることで、結構いろいろなものが見えてきます。結論を導き出すためにどういうパートを担って、どう対応するか。

伊藤忠商事】(見るポイントは)振る舞いですね。メンバーの意見を取り入れながら、自分の意見をうまく出せるか。求める人材像の一つに「チームワーク」があります。商社のビジネスはチームで動くことが多いので、「個の力」を前提としながら、チーム戦ができるかも見ています。

阪急阪神百貨店】集団の中でどんな行動をとる人なのか、を見ています。発言内容を通して、「会議の時にこんな人が1人いたらいいな」とか、逆に「こういう人がいたら困るな」という視点は面接官みんなが持っていると思います。例えば、場の空気を読みながら話をうまく前に進める人は前者であり、自己中心的でチームの輪を乱す人や、発言が多いだけで話が散漫な人は後者にあたると思います。まだ学生なので、ディスカッションの結果そのものには期待していません。むしろ、ディスカッションのプロセスをじっくり見ているということです。

 個人面接をすれば年上の社員に対するコミュニケーション能力はわかります。でも、仕事の多くはチームプレーですから、集団の中でどんな行動をとる人なのかを知りたいのです。どんなに優秀な人でも、チームの輪を乱す人では会社にとってマイナスですからね。