
■「従業員の幸福」
──御社独自のマテリアリティとして「従業員の幸福」と「子どものハピネス」を掲げていますね。
山口 はい。当社では、持続可能な社会に貢献することと、長期持続的に成長していくことを両立するため、成長につながる機会を取り込み、リスクを低減するためのマテリアリティを選定しました。中でも、「従業員の幸福」と「子どものハピネス」については、従業員の高いホスピタリティは事業の根幹であること、ファミリーエンターテイメントを提供する事業であることから、当社独自のマテリアリティとしています。
「従業員の幸福」では、従業員の働きがいの向上と働きやすさの整備を掲げています。従業員が幸せに働き続けることが、ゲストの皆さまにとっても良いパフォーマンスを提供できることにつながります。
そして、私たちの事業は子どもとは切っても切り離せません。当社が提供しているファミリーエンターテインメントにおいて子どもも大切なステークホルダーと考えて 「子どものハピネス」を掲げました。
──「従業員の幸福」分野に関してのトピックはありますか。
山口 取り組みの進捗を把握するために年に1回、「従業員の幸福」のKPIとしてエンゲージメント調査を行っており、その内容やフィードバックを社内の各組織に共有し、PDCAを回しています。特別なことではなく、地道にできることをしています。
これまではゲストの体験価値向上に関する事項に優先的に資源を投下していこうという方針でしたが、「従業員の幸福」を選定したこともあり、キャストが気持ちよく働けるよう従業員に関わる事項にも今まで以上に投資していこう、ということになりました。
──山口さんから見て、変わったなと思われたことは何かありますか?
山口 キャストが使うバックステージの休憩施設や食堂などがどんどんきれいになっており、少しでも休憩時間を快適に過ごせるようになってきています。
■「子どものハピネス」
──「子どものハピネス」分野ではどういったトピックがありますか。
山口 「子どものハピネス」というマテリアリティを掲げることで、各部署で施策を展開しようとしたときに、会社方針に沿って各部が協力できる体制がより強まったと思います。今後は少子化が進み、子ども自体が減っていきますが、サステナビリティという観点で子どもに向けたプログラムを強化・継続していく必要があると考えています。そうした点でも「子どものハピネス」をマテリアリティに選定したことは効果があると思います。