SDGsに貢献する仕事

株式会社みずほフィナンシャルグループ

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みずほフィナンシャルグループ〈後編〉パラダイムシフト自ら起こせる環境にいる【SDGsに貢献する仕事】

2025年04月16日

 SDGs(持続可能な開発目標)関連の業務に携わっている若手・中堅社員に直撃インタビューする「SDGsに貢献する仕事」第22回。3大メガバンクの一角、日本を代表する金融機関であるみずほフィナンシャルグループ(FG)の後編です。「パラダイムシフトを起こしたい」という目標で就職活動を行い、若いうちに力がつけられる環境と考えてみずほFGを就職先に選んだ山下さん。カーボンクレジット事業推進に携わるいま、日本でパラダイムシフトを起こせる可能性が一番高いところにいると感じているといいます。就活生へのメッセージも聞きました。(編集長・福井洋平)

【お話をうかがった方のプロフィル】
サステナブルビジネス部 ビジネス開発チーム ヴァイスプレジデント 山下翔平(やました・しょうへい)さん
2014年東京理科大学経営学部卒、同年みずほFG入社しみずほ銀行名古屋支店(中堅中小法人営業)。2017年~2019年みずほ銀行池袋支店(大企業営業)、その後みずほFGフロンティアビジネス推進PT、従業員組合専従を経て2023年より現職

(前編はこちらから

地方創生取り組むなかで農業は重要なポイント

■農業とカーボンクレジット
 ──前編では、山下さんがいま携わっているカーボンクレジット事業について詳しくうかがいました。さまざまな会社にカーボンクレジットを提案されているとのことですが、これまでのご提案で手応えのあった案件はありますか。
 まだ本当に種まきの段階ですが、ある大企業に対して「御社だったらこういうことができるかもしれません。一緒にやっていきましょう」という提案をしに行ったところ、それまでは接点のなかった事業部やサステナビリティ室、海外事業部とも接点を持てるようになりました。複数の部署と接点を持てることで、IRや有価証券報告書、ホームページで見る以上の情報が手に入ります。その情報から、どういった提案を持っていくとさらに企業が発展しやすいのかと考えられるようになり、我々のビジネスに生きる可能性がすごく高くなりました。
 まだそうした例は数社ですが、今度は種まきから芽を出す作業をしていきたいと思っています。

 ──その会社へ提案されたのは、何がきっかけだったのでしょうか。
 その会社様が「生産者がカーボンクレジットを簡単に作成するためのシステムをつくった」というプレスリリースを出されたことがきっかけでした。その会社は農業関係のビジネスもしていますが、実は、農業からもカーボンクレジットは創出できます。CO₂を減らすには、例えば米作りの過程で「中干し」といって水田の水を抜くのですが、この期間を伸ばすという方法があります。ただ日本の農家は一軒一軒の面積が小さく、大型のプレーヤーにはなりにくい。またカーボンクレジットをつくったとしても一軒一軒の農家がそれを認証して、申請してとなると経費のほうが高くつき、赤字になってしまいます。そのため、農家を取りまとめてカーボンクレジットの申請事務代行をするスタートアップ企業もあります。
 この会社は農業関連の生産管理アプリを立ち上げ、非常に普及しているのですが、これを使うことでカーボンクレジットの申請がしやすくなるのです。農業関係のカーボンクレジットの大半がこの会社に集まるくらいのポテンシャルがあると感じ、提案をしに行きました。

 ──その会社は、証券化したカーボンクレジットをどこで売ろうとしているのですか。
 1つはこの会社が工場などで排出するCO₂にあてることも検討しているそうです。また、これは農業支援のカーボンクレジットなので、食品、農業、林業といった企業が社会貢献のためにカーボンクレジットを買おうとしています。 もちろん、数多くあるみずほの取引先も販路となり得ます。
 我々は金融機関の中で唯一、1都1道2府43県に支店があります。地方創生に取り組んでいく中で、農業はポイントになると思います。カロリーベースの食料安全保障、耕作放棄地といった問題が深刻化しないためにも、カーボンクレジットは生産者が農作物に付加した収入を得られるため、持続的に農業ができる取組の中で非常に大事になってくると信じています。

「未来をつくれる」おもしろさがある

■仕事の大変さとおもしろさ
 ──いまの仕事に取り組む上で、一番大変だと感じることは何ですか。
 僕も、我々のチームもカーボンクレジットを信じて取り組んでいます。でも、やはりまだビジネスになっていないものを取り扱っているので「これが本当にビジネスになるのか」という疑問を持つ人は社外だけではなく、社内にもいます。例えば、 みずほFGとして出資するためには財務、戦略セクションの決裁をもらう必要があり、ここが結構大変です。また、出資が実現しても事業が自分の思う計画通りにいかないこともあります。アクセルを踏み、信じた道を突き進むために、ちゃんと説明をして、ちゃんと事業をつくっていくための作業を社内外でしないといけません。ただ、そういった困難な作業を経ないと健全に会社や事業が成長していかないので、批判が全て悪いわけでもないと思っています。
 そして、いつ結果が出るかが簡単に見通せません。暗闇を突き進んでいくような形ですが、大変でもあり、やりがいでもあると感じています。

 ──困難に直面したとき、どうやって自分を支えていますか。
 私は事業開発をしたいとずっと思っていました。だから、今は大変でもやりたいことをやらせてもらえていると思って自分を支えています。サステナビリティは以前から「省エネ」といった言葉をはじめ概念としてはありましたが、今はビジネスモデルがリプレイスされていく状況です。その局面に立ち会い、リプレイスをつくれる、カッコよく言うと「未来をつくれる」、そこに自分の手が介在するのはかなり面白いですし、やりがいです。

 ──山下さんが所属されているビジネス開発チームでは他にどういった案件を手がけられていますか。
 最近の例では、アメリカの核融合炉をつくるスタートアップに出資をしました。核というとちょっと聞こえが悪いかもしれないんですけれども、安全な次世代エネルギーだといわれています。実は核融合においては日本企業の技術力が高く、先行しています。核融合が次世代エネルギーとなれば、日本企業の技術を必要とするプレーヤーはかなり存在すると思います。みずほのお客様、日本がどうやったら成長するかという意味では大事なパーツだと考え、出資しました。
 チームメンバーは6人、部の所属メンバーは40人程度です。年代、男女の割合、バックグラウンドも幅広いです。やっている内容も幅広いですね。

「初期教育が充実」決めてでみずほを選択

■山下さんの就活
 ──山下さんは、就活のときはどういう業種を見ていましたか。
 正直、金融はあまり見ていませんでした。学生のとき、自分が仲の良かった友人の影響で、社会や経済に何かパラダイムシフトを起こすようなビジネスをしたいと思っていました。また、当時はF1が好きだったので、タイヤメーカーが面白そうだと思っていました。F1はタイヤによってスペックが変わるので、エンジンよりも面白いと思ったのです。

 ──自分で事業ができるというと、ベンチャー系を受けたのですか。
 いえ、大企業を受けていました。最初はベンチャー、コンサルがいいと思っていましたが、結局、日系の大企業のほうが体制が整っているのではないのかと。大学時代にすごく勉強したというタイプではなく、大学院にも進学しなかったので、社会人2~3年目は勉強の期間だと思っていました。そうすると初期教育のパッケージが整っている会社がベストだと思い、取捨選択しました。また、自分で事業をするには、やはりお金の流れが分かっていないといけません。そう考えると、銀行もいいのかなと思いました。
 ただ、そう考えた時期が遅くて、金融は結局みずほしか受けませんでした。面接の段階でみずほの方々と話す中で、お金の流れを知ることが自分の最終的にやりたいゴールのためにもいいかもしれないと思いました。最後は、製薬メーカー と商社、そしてみずほの中で どこにしようかとても迷っていました 。

 ──みずほを選んだ決め手は?
 みずほは初期教育がかなり充実していました。僕は最終的には日本でビジネスのパラダイムシフトを起こしたいと思っていたので、海外の仕事が多い総合商社はちょっと違うかなと。またメーカーも、入社後に自分のやりたいことと違うとなったときに転身が難しいと考え、みずほを選びました。「自分で事業がしたい」と言っていたので、親とか周りの人は意外だったようです。

 ──なぜ金融はみずほだけ?
 僕が就活をしていた当時、みずほはエントリーシートがとてもシンプルで応募できたので、気軽にエントリーしたのです。
 ただ、いろいろと調べると、社会にインパクトを与えるのはスタートアップでもできるかもしれないけど、そこから成長し続けパラダイムシフトまで起こす会社と、スッと上がってスッと落ちてしまう会社があります。また、30代までは大手企業から出ずに力をためた人のほうが起業家やビジネスマンとして長く活躍している方が多いイメージでした。組織というものを分かった上で事業を起こした人のほうが持続的に活躍しているなと。やっぱり30代までは力をためるフェーズとしたほうが良いのかなと思い、そういう観点で調べれば調べるほどみずほの環境が整っていると感じるようになりました。そこで、「1社目はみずほにしよう」と決めて入りました。

「事業開発がしたい」アピール続けて今の部署に

■入社後の仕事
──支店配属時代は大変でしたか。
 まずサラリーマンというものに慣れませんでした。「自分で事業をやりたい」という気持ちがベースにありますし、お話させていただく相手には何かしらの付加価値を提供したい、という強い思いもありました。入社した名古屋支店では生意気にも「御社のビジネスはもっとこうだと思う」と中小企業の社長に考えをぶつけていた時期もあったのですが、そういう姿勢が嫌いな方もいますよね。銀行の営業は万人に好かれるのがベストだと思いますが、すごく気に入ってくれるお客様と、そうではない人に分かれました。社内でも多大なご指導をいただきました。

──そこで学んだことはありましたか。
 お客様に圧倒的に気に入られると、圧倒的に数字がついてくるということです。他行がメインバンクだったのに、「みずほは最近頑張っているから、今月からメインバンクを移すよ」と言ってくださった会社もありました。名古屋支店ではチャレンジして数字にもつなげられたので、社会人としてやっていけるという自信がつきました。
 2店目は東京の池袋支店で、大企業を担当する営業職になりました。大切な企業をたくさん担当するようになり、数社から強烈に好かれることが重要ではなく、万人受けが求められるため、名古屋支店でついた自信がすべてもがれました。当時はまだ書類作成が適当だったり、社会人としてのマナーがまだきちんとしていなかったりしたところも多く、池袋支店時代に「新入社員の最初の1カ月」のようにご指導いただきました。
■事業開発の部署への異動
 ──そこから本社で事業開発の仕事につかれたのは。
 毎年更新するキャリアシートに「事業開発の仕事を希望します」と書きつづけていました。入行して1年目の最後に「事業会社に出向したい」と書いたら、書き直しを命じられましたこともあったのですが、ずっと事業に携わりたいと希望していたらいまの部署に異動し、フィンテックのプロジェクトに関わるようになりました。この部署への異動はとても大きな転機だったかなと思います。

──本当にやりたいことをアピールし続けるのも大事なのですね。
 同じようなことをいう人も多いかと思いますが、書き続ける、言い続ける、アクションを起こし続ける。そうすることで実現していくと思います。よく学生から、「みずほFGで『できる』社員ってどういう人ですか」と聞かれることがありますが、みずほFGにはいろいろなフィールドがあり、いろいろな人が活躍できる可能性を秘めているので、一律に「できる」という定義をすることが難しいと私は思っています。だから、みずほFGに入れば自分に合う部署や仕事が、転職という一定時間のかかるプロセスを挟まずに見つけられるところがいいと思います。自分でアクションを起こすとチャンスは回ってくる確率の高い会社です。
(写真・2024年7月3日にみずほ丸の内タワーで開催したみずほカーボンクレジットセミナーの様子=みずほFG提供)
■みずほでのやりがい
──みずほFGで働くやりがいについて教えて下さい。
 最初は本当に「1社目」という形で選んだ会社ですが、11年目になってみて「結局、まだみずほFGにいるね」と両親に言われているし、自分でもそう思います。みずほに居続けるのは、やりがいがあるから。そしてそのやりがいとは、自分がやりたかった、パラダイムシフトを自ら起こせる可能性が高いことだと思います。社会の下支えをするだけではない仕事がここにはたくさんあるというのが、やりがいです。

(インタビュー写真・山本友来)

SDGsでメッセージ!

 みずほFGは、さまざまな挑戦をいろいろな領域で行っています。その中で私は、サステナビリティという領域で事業開発のチャレンジをしております。今後は社会の要請、期待によって、これがサステナビリティから別の分野に移ったり、いろいろと発展をしたりすると思います。場面、場面でみなさまと一緒にチャレンジをしていきたい。そして私も負けないように、もっともっとチャレンジしていきたいと考えていますので、ぜひ一緒にチャレンジできるメンバーを募集しております。
 就職活動のときは本当にいろいろな悩みがあると思うのですけど、自分がやりたいことや働き方など、いろいろな軸で判断して最終的には決めてもらえればなと思います。NTTデータは働きやすさも、やりたいことも実現できる会社だと思いますので、ぜひ一緒に働けたら嬉しいです。お待ちしております。(岩垣さん)

株式会社みずほフィナンシャルグループ

【金融】

 みずほフィナンシャルグループは、銀行・信託・証券など幅広い金融サービスを提供する総合金融グループです。みずほ銀行、みずほ信託銀行、みずほ証券を中心に、個人から大企業まで多様なニーズに対応し、特にデジタル技術を活用したサービスや、環境・社会課題に取り組むサステナビリティ戦略を強化しています。グローバル展開も進め、日本経済の発展に貢献し金融を通じて新しい価値を生み出し、未来を創ることを目指しています。