
■渡辺さんの経歴
──渡辺さんは何年入社ですか。
2009年入社です。ちょうど「1チョコ for 1スマイル」が始まったころですね。最初は名古屋で営業を3年半しました。営業は小売・流通大手などの取引先様と卸店様に対し、森永製菓の商品を販売していただく商談をします。いわゆる「定番棚」という常にお菓子が置いてある店棚と、もう1つ「特売」があり、そこに「冬限定の商品を並べてください」といった提案をしてきました。
──営業を3年間されてから、新規事業に手を挙げられたのですね。
はい。3年目の終わりに新規事業公募があったので、ビジネスプランを出して応募し、4年目の10月から当時のイノベーショングループに異動になりました。そのときに立ち上がったばかりの新規事業がアンテナショップで、私はサブ担当として配属されたのですが、いつの間にか1人で事業を担当するようになりました。アンテナショップは今もあり、東京駅の地下の「お菓子ランド」、大阪の通天閣の地下にもあります。以前はお台場や沖縄にもありました。
自分は新しい挑戦が好きだったので、JAXAと一緒に商品開発をして、アンテナショップで販売したこともあります。そのうちに当時の新領域創造事業部に異動し、そこからいろいろな新規事業を立ち上げました。
――どういった新規事業を立ち上げられましたか。
さきほどご紹介した「おかしプリント」は、私が立ち上げました。展示会や周年行事のとき、ビジネスシーンでは堅い雰囲気になりがちですが、長年親しまれたブランド力とお菓子というプロダクトの特性を使えば堅い雰囲気をなごやかにできます。そこからお客様や社内での会話が生まれるというニーズが受け入れられて、今も事業として続いています。
ほかにもキョロちゃんの未就学児向けアプリをつくったり、バンダイナムコスタジオとチョコレートを楽しむクラウドファンディングをして「フルコースチョコレート」をつくったり、いろいろなチャレンジをしてきました。
■現在の仕事
──そのあとに広報にうつられましたが、いま広報ではどういう仕事をされていますか。
現在は「1チョコ for 1スマイル」をはじめ、4つの広報に携わっています。1つは商品広報。たとえば「新しいカレ・ド・ショコラが出ますよ」「全く新しい商品ができますよ」とメディアやお客様に向けて発信する仕事です。2つ目が企業広報。「1チョコ for 1スマイル」はまさにこれで、我々としても当社を象徴する特徴的なサステナビリティの取り組みとして、発信を強化しています。3つ目が社内広報で、社内報などをつくります。4つ目はリスク管理広報です。
──今までのお仕事で印象深かったのは。
おかしプリントですね。2016年に立ち上げ、2023年3月まで自分が7年間担当していた愛情たっぷりの事業です。その7年間で失敗もたくさんしましたし、苦労もしましたが、お客様と社内外のみなさんに支えられて事業を成長させることができました。
──おかしプリントの立ち上げで一番苦労されたことは。
基本的に自分1人で担当をまかせてもらっていました。お客様に対応する事務局を立ち上げ、派遣会社を通じて6名ぐらいのオペレーションチームをつくったのですが、オペレーションも回さないといけないし、事業戦略も考えて事業を拡大させないといけないのは非常に大変でした。事業を拡大するために新しいシステムを入れなくてはいけない、でもどうしたらいいかが分からない。その度に頭を悩ませましたが、結果的に周りのみなさんの支えがあってやり遂げられて、今のおかしプリントがあります。つらかったですが、いい経験でした。