
■山口さんのFEDIへのかかわり
――山口さんは、FEDIではどういう仕事を担当していますか。
山口 私は主にサプライヤ向け、繊維商社、生地、付属・副資材(生地以外の資材)商社といった方々に対応しています。
──サプライヤの方々と、具体的にはどんなお話をしていますか。
山口 基本的には現状業務やニーズのヒアリングです。アナログ業務が中心のなか、お客様がどこに課題を持っているかをヒアリングしつつ、FEDIでどういう解決策が見いだせるかを日々議論しています。現在、十数社を担当しています。弊社からサプライヤ様に提案を持っていくこともありますし、先方から課題解決の依頼をいただくこともあります。
──実際にヒアリングしてみて、課題の大きさはどれぐらいだと考えていますか。
山口 非常に大きいと感じます。仕事のやり方が属人的でそれぞれの担当者がやりやすい方法を持っているため、標準化をすすめると現場の方のやり方を変えることになるので、今のやり方が変わったとしてもどれだけメリットのほうが大きいか、そこをいかに提示するかが重要だと思います。今は「アナログ業務でこれぐらいの工数がかかっているのが、具体的にこれぐらい楽になりますよ」といった工数削減の提案をしていきたいと思っています。
──実際には、どれぐらい楽になるのですか。
山口 いまでも発注をFAXやメールでしている会社様もいますし、パソコンを使っていてもメールにPDFを添付したり、Excelで一つひとつ発注内容を打ち込んで送付したり、アナログなやりとりが中心です。そこで、実際にFEDIを中心にシステムの導入を進めていこうという話を何社かとしています。現場の皆様だけでなく経営層ともお話しをして、トップダウンでもアプローチを実施しています。
■岩垣さんのFEDIとのかかわり
――岩垣さんはFEDIでどういう仕事を担当していますか。
岩垣 私はバイヤー側の対応をしています。基本的にはアパレル企業の課題を聞きながら、FEDIの提案をするのが今の業務内容です。
──具体的にはどういうお話をしているのですか。
岩垣 私の担当するお客様はアパレルです。多くのアパレルメーカーは洋服をつくるとき、例えば予算を立てる際も全部エクセルで管理したり、製品のデザインもデザイナーがスカートのデザインを手書きしたものをそのままPDF管理したりと、いろいろなことをアナログで管理している企業が多数あります。基本的にシステム管理をしておらず、今後のシーズンについての企画会議も手書きの情報を参加者で見ながら「ここは今回ちょっと微妙だからなくそう」といったやり取りをすべて手書きで行ったりして、すごく時間がかかることが当たり前になっていると聞いています。そこをシステム化することでいかに効率よく業務ができるようになるかや、それによって浮いた時間をもっとデザインや資材の検討に回していただくことも大事だと思うので、そういった観点でお客様と話をしています。
──今はアパレルメーカーとのやり取りの途中だと思いますが、ハードルは高いのですか。
岩垣 ハードルはけっこう高いです。基本的にアパレルから発注が来てサプライヤ、商社や専門商社、付属商社にデータが流れていきます。アパレルがシステムを導入すれば、そこから発注がデータとして流れてきてサプライヤも助かるので、アパレルがシステムを導入することが大事です。
ただ、アパレル目線で見ると、やはり最初に導入するのはハードルが高いので、そこを超えるのがすごく難しいですね。