
■海外での社会貢献活動
――海外での社会貢献活動についてはどのように啓発を進めていますか。
町田 SOAはさきほどお話しした「Love Promise」という地域のコミュニティや医療団体への寄附、ボランティア活動を行う取り組みがすでに従業員に浸透しており、社会貢献意識の高さにつながっています。「Love Promise」はすごくいい取り組みなので、グループとしての重点取り組み4分野を理解した上で、各地域のニーズを満たす取り組みを進めて行きたいと考えます。
──「Love Promise」は、教育やペットといった一見車とは関係なさそうな分野もケアされているのですね。
町田 SUBARUはSUVというカテゴリーの車を得意としており、多くのお客様が車と共に家族やペットと一緒にアクティブに楽しみ、一緒に思い出をつくっています。ユーザーの方のSNSを見ると、車と一緒に本当にペットも一緒に写っていることが多いですね。そこから、家族やペットへのケアという発想につながっているのです。
──国内と海外の意識のすりあわせはどうしていますか。
町田 まず実態を把握するために米国の担当者とコミュニケーションを取り、どのぐらい「重点取り組み4分野」が広まっているかを聞きました。それから相手のニーズも把握しながら打ち合わせを行い、私が産休に入る数年前ぐらいから定例会議を行うことにしました。今は定例会議で社会貢献、場合によってはサステナビリティ全般に関するところも議論しています。
──定例会議はどのぐらいのペースですか。
町田 四半期に1回をベースに進めています。SOAの担当者も重点4分野に対してポジティブに考えてくれているので、「これから一緒に社会貢献活動ができればいいよね」と議論を進めています。
■町田さんが目玉にしたい取り組み
──町田さんの日常の業務で一番ウエイトを占めているのはどういう仕事ですか。
町田 SUBARUグループの社会貢献活動をマネジメントする社会貢献委員会の総括を担当しているので、そこが今は一番大きなウエイトを占めています。
──ご自身の中で「これは目玉にしていきたい」という取り組みはありますか。
町田 重点取り組み4分野の中でも、交通安全の取り組みはカーメーカーとしての使命だと思います。カーメーカーとして存在していく上で死亡交通事故ゼロを目指していますが、今は交通安全の活動がすごく多いわけではなく、成長の余地があると思っているところです。私自身も常にアンテナを張りながら「何か企画をできないか」と考えています。
──カーメーカーで「交通安全」の旗振りをしているのは珍しいのでは。
町田 交通遺児の支援団体とも長くおつきあいをさせていただいています。交通安全の活動は我々の事業の強みでもありますし、これからもしっかりと貢献していきたいと思います。