
■ヤマハ入社の決め手
──ヤマハに入社した決め手は何でしたか。
渡辺 新興国とつながれるというのが一番大きかったです。スクールプロジェクトのことも少しは知っていましたし、別会社ですがヤマハ発動機(ヤマハとはルーツが同じ)のバイクは新興国の人たちも知っていて、「ヤマハ」は世界で通用する名前だと思いました。政府機関にも内定をいただきましたが、自分には向いていないとも思いヤマハを選びました。
──就活の面接で印象に残っていることはありますか。
渡辺 ヤマハの面接では「自分を見てくれているな」と感じました。他社では「うちの会社で何をしてくれるの」「どういうことをやってくれるの」という話が多かったですが、ヤマハでは最終面接のときも東南アジアでのボランティアや新興国のことを本当にざっくばらんに聞いてくれて、それまでの自分をすごく見てくれたのが印象的でした。
──最終面接はいつごろ、何対何でしたか。
渡辺 たしか5人でした。人事の方が2人、本部長や執行役員が3人ぐらいだったと思います。時期は5月末で、オンライン面接なんてしたことがなかったので、ネットで「オンライン面接Tips」を見て臨みました。
──今の仕事はどういうところにやりがいを感じますか。
渡辺 2つあります。1つ目は自分がヤマハにどう貢献しているかが分かること。もう1つは自分の仕事が誰のためになっているのかが分かることです。
1つ目のやりがいのためには、楽器の演奏人口を増やして需要を高め、ヤマハのビジネスと子どもたちの可能性を広げること、両方につなげていきたいです。ヤマハは「世界中の人々のこころ豊かなくらし」を企業ミッションにしていますが、我々の仕事は、世界中の子どもたちのこころ豊かなくらしに貢献することです。ヤマハが会社として一番上に掲げている目標が、すごく自分の身近にあると感じます。
2つ目についてですが、プロジェクトで実際に現場に行ったとき、インドの子どもたちはすごく楽しそうに伝統音楽を歌っていました。そういった中で子どもたちがリコーダーを手にしたときに、「上手くできるかな」ではなく「どう演奏するのかな」「どう楽しむのかな」とわくわくしましたし、実際に1年後に学校に行ったら、子どもたちが一生懸命に演奏しているのを見て、「やってよかったな」と思いました。何を誰のためにやっているのが、直感的に分かる仕事ができているのがやりがいです。
──子どもたちからはどんな反応をもらいましたか。
渡辺 我々の教材ではリコーダーを楽しく演奏できるように、伴奏音源をつけています。USBをポータブルキーボードに差すと、伴奏音源が流れます。子どもたちからは「伴奏音源に合わせて演奏するのが楽しい」というフィードバックがあるのですが、それは我々にしかできないことなので嬉しいなと思います。