SDGsに貢献する仕事

日本マクドナルド株式会社

  • 飢餓をゼロに
  • 働きがいも経済成長も
  • つくる責任 つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • 陸の豊かさも守ろう
  • パートナーシップで目標を達成しよう

日本マクドナルド〈後編〉「ピープルビジネス」が浸透している会社【SDGsに貢献する仕事】

2024年01月24日

 SDGs(持続可能な開発目標)関連の業務に携わっている若手・中堅社員に直撃インタビューする「SDGsに貢献する仕事」の第13回、日本マクドナルドの後編です。就職活動のときに、面談で自分の価値観と会社の価値観をすりあわせようとしてきた姿勢に感銘をうけ、入社を決めたという赤松さん。人を育て、大切にする「ピープルビジネス」の理念がアルバイトまで浸透していることが会社の良さだといいます(肩書は取材当時)。(編集長・福井洋平)

(前編はこちらから)

【お話をうかがった社員のプロフィル】
●赤松慎太郎(あかまつ・しんたろう)さん
コミュニケーション&CR本部(取材当時)
2021年関西学院大学文学部卒業、同年入社。高松市内の店舗MT(マネジャートレニー)・DM(デパートメントマネージャー)を経て2023年1月から「キャリアチャレンジ制度」を利用し現職に。

頑張ったこと羅列せず「主体的に行動」アピール

■赤松さんの就活
 ──赤松さんは、コロナ禍のまっただ中で就活されていますね。
 ちょうど真っ最中で、面接もリアルは1、2回ぐらい、それ以外は全部オンラインでした。オンラインだと画面を見ていいのか、カメラを見た方がいいのか分からなくて。カメラを見ていると人としゃべっている感じがしなくて、違和感がありました。難しかったですね。

 ──大学では何をされていましたか。就活はいつから?
 文学部の総合心理科学科で、心理学専攻でした。就活は3年生から始めましたが、すごくこだわりがあったわけではなく漠然と何かしなきゃ、といった思いでした。ここから社会人として仕事をしていくということは、人生の中ですごく大きな部分を占める。せっかくなら自分の好きなことに関わることが強いモチベーションに繋がると思って、食事や食品に関わるような仕事をしようかなと。食品一本で就活しました。

 ──何社ぐらいエントリーしましたか。
 20社ぐらいです。ほとんどメーカーで、外食はマクドナルドしか受けませんでした。マクドナルドは自分が店舗に行ったときに、働いている人々の顔がすごくスッキリしていて、やりがいを持って働いていると伝わったので、ぜひ受けようと考えていました。

 ──ガクチカはどうやってお話されましたか。
 「こういうことをやりました」というのではなく、「自分が関わる全てのものに対して、主体的に行動し、結果を得る」ということをアピールしました。大学では成績上位5%に入って表彰され、アルバイトではバイトリーダーとして時間帯責任者をやりました。サークルは約200人所属するフットサルサークルの幹部として運営の中心を担っていました。このように特定の分野だけでなく、関わるすべてのことにおいて妥協せず高い結果や影響力を出すことを意識的にやっていたことが自分の強みであると感じていました。

 ──アルバイトは何を?
 チーズタルト店、ドーナツ店、タピオカドリンク店の3つを掛け持ちしていました。タピオカはブームで、めちゃくちゃ忙しかったですね。ドーナツ店では時間帯責任者として、金銭管理やほかのアルバイトのシフト管理をしたりしていました。

自分と会社の価値観すりあわせる面談で「惚れた」

■ES、面談
 ──日本マクドナルドの就活を振り返ってください。
 面談が一番印象的で、それで入社を決めました。最初にエントリーシート(ES)を出して、そのあと筆記試験、適性検査を受けました。ESは具体的な質問項目までは覚えていないですけど、その人の価値観とか背景に触れるところを意識していて、頑張ったことをただ羅列するのではなくその背景にどういう思いがあったのかを聞く項目があり、そこを面談の中でも聞かれたのは印象的でした。

 ──面談は何回でしたか。
 私は2回でしたが、人によって違います。弊社の面談は人事部ではなく、いろいろな部署の人が担当します。人によっては同じ人と4回面談して最終面接面談に行ったり、1回面談だけで最終面談に行くというパターンもあったりします。私は1回のリクルーターとの面談で最終面談に進みました。

 ──ご自身のリクルーターはどの部署の方でしたか。
 コンサルタントという、直営店舗10店舗ぐらいを束ねるエリアマネージャーの人が私のリクルーターでした。いろんなキャリアを歩んできた人がリクルーターになるので、年齢も20代から50代まで幅広いです。

 ──オンライン面談で何を聞かれましたか。
 ガクチカはもちろん、その中で印象に残っている出来事も聞かれました。その行動をした背景には「赤松さんのどういう価値観があるんでしょうか」という質問が多かったのが印象的でした。究極、やったこと自体には良い意味であんまり興味がないというか。その理念とか価値観がどれだけマクドナルドという企業とマッチングしているかを聞く質問が多かったと思います。時間は45分くらいでした。
 ──赤松さんの価値観とは。
 すごく大事にしている価値観は「自分に関わる全ての人にとって、自分の存在がポジティブなものであるといいな」というものです。アルバイトも基本的には「赤松さんがいて良かったな」「赤松さんと仕事ができて良かったな」と思ってもらいたいという価値観にのっとってやっていたという話をしました。
 なかなか自分の意図するようなコミュニケーションにならないこともありますけれども、それで「嫌だな」「この人は嫌いだな」となるのではなく、「なぜ、この人はこういう考え方をするのだろう」という理由を純粋に考えます。それも自分の中では大事な価値観として守っています。

 ──たくさん人を束ねるポジションにいて、それを学んだと。
 そうですね。私は性善説というか、人のことを信頼しています。みんな基本的には悪気がなく、本気でやった中で意見のすれ違いがあると。アウトプットとしての意見や行動が違うだけであって、その背景にどんな思いがあるのか、ちゃんと向き合う方がその人に対しても失礼にはなりません。そういった価値観をずっと持っていて、その話も就活のときにしました。

 ──面談が終わるとその場で「もう、次は最終」と言われるのですか。
 翌日までには言われるぐらいのスピード感でした。本当にリクルーターが判断するので、一旦持ち帰るというよりは、その人がいいと思ったかどうかによります。

 ──赤松さんのリクルーター面談はいつ頃でしたか。
 4月末から5月上旬ぐらいでした。最終面談もオンラインで、就活は家で完結しました。入社式もなかったので、今回の異動ではじめて東京のオフィスに来ましたね。

■最終面談
 ──最終面談は何対何ですか。
 1対1で、相手は中日本営業部長でした。最終面談も45分くらいで、面談というよりコミュニケーションという印象でした。

 ──印象に残っていることはありますか。
 「赤松さんの人を大切にする強みとか、人の行動の裏にどういう考えや価値観があるのかを探る力は、日本マクドナルドのめざす『ピープルビジネス』にもマッチしていて、活躍に繋がるスキルだと思う」と言ってもらったことです。赤松慎太郎という者が持っている価値観と、日本マクドナルドの価値観が一致しているところに着目したコメントをいただいて、「ピープルビジネスとはこういうことなんだな」と肌で感じた瞬間でした。

 ──それで「面談で入社を決めた」とおっしゃっていたのですね。
 いろいろな企業と面接していると、企業側から「企業のストロングポイントはどういうところだと思いますか」という質問が多かったんです。でも、日本マクドナルドは私と会社の価値観を擦り合わせるコミュニケーションをとっていたのがすごく印象的で、「こういう会社で働けると頑張れるんだろうな」と思いました。私以外にも「面談を通じて入社を決めた」という同期がたくさんいます。
 もともと「就活はマッチングだ」と思い、「相性が良かったら最高だな」という感覚でいたので、そういうスタンスを取られていた日本マクドナルドがすごく好印象だったんです。最初に内定をもらったんですがもうその時点で惚れていたので、ほかの選考はそこでやめました。

 ──良かったですね。
 就活に際しては良くも悪くも自分の思いや価値観を中心にしていたので、合わない企業も多々あり苦しい時期もありました。「内定」という意味では、価値観の合わない会社でもそこに合わせにいけば取れることがあるのかもしれないですけど、私はマッチングを重視しました。

アルバイトにも「ピープルビジネス」根付く

■店舗での仕事
 ──入社されて1年9カ月ぐらいは店舗でお仕事をされたそうですが、大変だったことは。
 私が所属していた店舗は60~80人ぐらい在籍していて、アルバイトは高校1年生からできるので、15歳から80歳ぐらいの人がいます。すごく幅広いバックグラウンド、属性の人が働いていて、その人々を社員として、店舗のマネージャーとしてリードしていかなければいけないのが最初につまずいた部分でした。

 ──クルー(スタッフ)の年齢制限がないのですよね。
 そうですね。私が学生時代アルバイトをしていたところは学生主体で、自分と近しい年代とか属性の人としか働いたことがなかったんですが、いろんな属性、いろんな年齢の人と働く、ましてやその人たちをリードしなければいけない。しかも自分はマクドナルドでアルバイトをしていたわけではないので、会社の中の経験は全然なくて。でも、主婦のマネージャーの人は「10年、20年、マクドナルドで働いています」という人もいます。そういう人をリードしなくてはいけないのが、最初は難しかったです。

 ──プレッシャーもあったのでは。
 最初はどうリードしたらいいんだろうと悩みました。でも、日本マクドナルドの「ピープルビジネス」は社員だけではなく、アルバイトの一人ひとりまでそういう価値観を持って働いていると感じる部分がありました。私自身が遠慮したり勘ぐったりせず、自分が思っていることを敬意を持って真摯に伝えると、ちゃんと答えてくれるんです。そういったコミュニケーションを重ねていくうちに信頼関係が構築され、「入社して1年」とかは関係なく「赤松慎太郎という人間がそう言っている」という捉え方をしてもらえるようになりました。

 ──どういった話しかけをされたのですか。
 最初は「リードする」というと指示を出すとか、ヒントを与えるみたいなイメージを持っていたのですが、「一緒にベストな解決策を見つけていく」コミュニケーションだと考えるようになりました。「こうした方がいいと思う」「こうしてください」ではなく、「こういう課題を解決したいんですけど、どうしたらいいと思いますか」「一緒に考えていきませんか」といったコミュニケーションを取りました。
 敬意を持つのが、すごく大事です。挨拶は絶対する、それも明るく元気に、目を見て、名前を呼んで。そこからコミュニケーションは始まります。

 ──どういった課題がありましたか。
 店舗によっても違いますが、品不足、作り間違い、クルーがオペレーションを自己流でやってしまうなどですね。例えば、品不足を解決するために一番簡単なアクションは「品不足をやめてください」と言うことです。でも、そうではなく、クルーやマネージャーに「品不足を少なくするために、どういうアクションが考えられますか?」とコミュニケーションを取りました。

 ──アルバイトの人にも声かけをするのですか。
 店舗全体を見ているマネージャーとしては、クルーの表情を見ると、そのクルーの精神状態や、「そろそろミスをしそうだ」と感じ取ることがあります。日頃のコミュニケーション以外にも余裕がなさそうだと思ったらすかさず声をかけます。

 ──一番キツかったなということは。
 配属の2店舗目でGO(グランドオープン)を担当し、店長と2人でお店を開ける準備から始めたことです。約2カ月で60人ぐらい集めて、オープンしないといけない。そこは結構チャレンジングでしたね。

 ──バイト採用の面接もしましたか。
 しました。もう1日に何件もしました。質問に対する受け答えがしっかりできるのはもちろん、自分の中の軸がある人がいいなと思いました。学生だと「今、何か頑張っていることはありますか」という質問に対して、「自分はこう思うから、こういうことを頑張っている」と言える人です。あとは表情ですね。やっぱり笑顔が素敵でポジティブであることは重視していました。

 ──どうやって乗り越えたのですか。
 これもピープルビジネスの話になるんですけれども、人間関係、周りの方に恵まれたと思います。店長とは率直にコミュニケーションし合える関係だったので、お互いがしんどいときはお互いを支え合いました。そういう価値を持った人が働いているので、一つひとつの困難を乗り越えられたと思います。

「人を育てたい」価値観共有できる会社

■マクドナルドでのやりがい
──マクドナルドで働くやりがいは。
 1つは日本、全世界で影響力のあるブランドで働くことができること。2つ目はその中でいろいろな人々と出会えることです。マクドナルドで働かなければ、15歳から80歳の人をリードする経験はなかったし、クルーには日本人だけではなく外国人もいるので、そういった人々といろんな話ができる機会はなかったと思います。店舗でも本社でもいろんなバックグラウンドがある多様な人と出会って、多様な話ができるのは働いていて楽しいところですし、自分を成長させてくれていると思います。

■働き方改革
 ──率直に言って、外食というと「キツい」という印象を持っている方が多いと思います。働きやすさは感じていますか。
 私の中ではそこで働く人とか、人間関係が「働きやすさ」に直結します。人を育てたい、一緒に成長していきたいという価値観、文化をみんなが持っている日本マクドナルドで働くのは、すごく働きやすいなと思います。 店舗でもアルバイトの人がマネージャーをしているので、社員だけに負担がかかることもありません。マクドナルドに限らず、店舗全体で支えあう環境が構築されていると、働きやすいと思います。

 ──就活生の頃に思っていた通りでしたか。
 ネガティブなギャップはあまりなく、「思っていた通りだった、やったー!」という感じです。

 ――レギュレーションとかルールとか規定といった言葉を、どうしたらポジティブな言葉として受け取っていけるのか、学生にアドバイスはありますか。
 一つひとつ、自分の中では「ちょっと難しいな」「理解しづらいな」ということに出会う機会もあると思います。それはレギュレーションや人間関係かもしれません。でも、そうした中でもその背景にはどういう狙いや理由があるのかに着目してみる。制限や形だけに注目するのではなく、背景にはどういう理由があって、どういう目的があるのかまで考えると、自分が腹落ちしてポジティブに取り組めるのではないかと考えています。

(インタビュー写真・植田真紗美)

SDGsでメッセージ!

■学生へのメッセージ
 就活は学生と企業のマッチングの場だと考えています。自分自身が大切にしている価値観、自分がどんな存在意義を社会に発揮したいか、それを企業の価値観とすり合わせることによって、本当の意味で自分に合った企業を探せると考えています。そういった中でSDGsに関わる仕事は社会の皆様にとって、「あって良かった」と思ってもらえる仕事であって、それは私の大事にしている「出会って良かったと思われる人物となる」という価値観にもマッチしているので、私自身もポジティブに働けています。そういった自分の価値観と企業の価値観、そこで働いている自分をイメージして、就活に取り組んでみてください。

日本マクドナルド株式会社

【食品】

ハンバーガー・レストラン・チェーン「マクドナルド」を経営。私たちの存在意義「おいしさと笑顔を地域の皆さまに」に基づき、全国47都道府県の約3000店舗で、約19万人のクルー、オーナーオペレーター、店舗社員がワンチームとなり、「おいしさとFeel-Goodなモーメントを、いつでもどこでもすべての人に」お届けします。