SDGsに貢献する仕事

東急株式会社

  • エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 住み続けられるまちづくりを
  • つくる責任 つかう責任
  • 気候変動に具体的な対策を
  • パートナーシップで目標を達成しよう

東急〈後編〉不動産はつくってからがスタート 長く住み続けられるまちを作りたい【SDGsに貢献する仕事】

2023年10月04日

 SDGs(持続可能な開発目標)関連の業務に携わっている若手・中堅社員に直撃インタビューする新企画「SDGsに貢献する仕事」。交通事業、不動産事業、生活サービス事業などを手がける東急株式会社の後編をお届けします。創業以来の思いを受け継ぎ、南町田グランベリーパーク(東京都町田市)など各地で地元に密着した長く住み続けられるまちづくりを手がけている東急株式会社。「交通課題を解決したい」「地元の魅力を発信したい」という就活時の思いにつながる仕事ができます――とお二人は語ってくれました。(編集長・福井洋平)
前編はこちら

(冒頭のSDGsアイコンは、東急株式会社がとくに重視するゴール)

【お話をうかがった社員のプロフィル】
●小林更紗(こばやし・さらさ)さん(写真左)=社長室ESG推進グループ。2021年早稲田大学商学部卒業、同年入社、現部署に配属される。

●藤井美緒(ふじい・みお)さん(写真右)=ビル運用事業部 事業推進第二グループ。2016年同志社大学商学部卒業。同年に関西の南海電気鉄道に入社し、不動産部門で駅前開発プロジェクトや駅物件の開業などに携わる。2020年に東急株式会社に入社し、現部署に配属され東京都町田市の「南町田グランベリーパーク」の商業施設の資産管理ならびにまち運営のマネジメント業務を担当。
(撮影地・南町田グランベリーパーク)

南町田グランベリーパーク を「自分の場所」と思ってほしい

■南町田グランベリーパークへの思い
 ──南町田グランベリーパーク(写真)で「持続可能なまちづくり」を手がけている藤井さんですが、まちはどうすれば「持続可能」になると思いますか。
 藤井 不動産は作ったら「はい、終わり」ではなく、そこからがスタートです。5年後、10年後も住み続けている地域住民の方々といかに連携してそのまちを好きになってもらうか、愛着を持ってもらうかが、持続可能なまちづくりにつながると思います。イベントに参加してもらったり、地域のブランド力を高めたりといった地道な、すぐには効果が出ないような取り組みこそが大事だと思っています。

 ──南町田グランベリーパークをどういうまちにしていきたいですか。
 藤井 お買い物をしたり遊んだりする場所だけではなく、自分の場所と思ってもらえるまちにしていきたいです。イベントの参加側だけじゃなくて、自分も主催側で南町田グランベリーパークを利用する人がもっと増えてほしいですね。まだ道半ばですが、後押ししていきたいと思っています。

 ──南町田グランベリーパークというまちがSDGsに貢献していくため、これからどうあるべきだと思いますか。
 藤井 このまちは地域の防災拠点でもありますし、環境に配慮したグリーンインフラ という仕組みも施されていたりしますが、一般のお客様にはあまり知られていません。それを押しつけがましくならないよう、楽しみながら学べるイベントを開催したり、直近では「地球環境大賞」という環境の表彰制度で大賞を受賞したのですが、外部指標で評価していただくことによって注目度を高めていったり。そうしたイベントやメディアを上手く活用して、南町田グランベリーパークがきっかけで、SDGsに興味をもってもらえるとよいと思っています。

 ──藤井さんから見た、このまちの推しポイントは。
 藤井 ひとつご紹介すると、商業施設と鶴間公園が融合したパークライフ・サイトにある「まちライブラリー」では、公園をリニューアルした際の伐採材を椅子や机に再利用しているので是非立ち寄ってみて欲しいです。あとは商業施設には「生活遊園地」というコンセプトがあり、お買い物を中心に、映画館やフードコート、7つの屋外広場などもあり、テーマパークのように楽しく遊べます。

(写真・東急株式会社提供)

「次の人」を考えて仕事をする

■東急の不動産開発事業
 ──東急は先ほどおっしゃった「不動産を作ったらはい、終わり」というような不動産開発とは一線を画してきたのですね。
 藤井 そうですね。東急は本当に丁寧に地元の人と話し合いをしながら、まちづくりをしてきたと思いますし、そこが好きなところです。例えば、二子玉川(東京都世田谷区)ほど自然と調和し、「住む」「働く」「遊ぶ」が一緒になっているまちづくりは東急 だけではできないと思います。調整は東急が中心となっていたと聞いていますが、周りの事業者さんも協力してくださってのことです。非常に苦労はあったと思いますが、素晴らしいまちが作り上げられて、今も保たれているのは、継続的な地域との信頼関係があるからだと思います。

 ──二子玉川のどういうところが好きですか。
 藤井 何でも揃う便利さがあり、イベントやマーケットもよく開催されていて、にぎわいがあります。ファミリーで楽しめる場所が多く、子育てしやすいまちだと思います。屋上に行くと菜園があったり、メダカを育てていたり、公園や川も近くにあるのでまちと自然とが一体となっているところが一番好きです。

 ──藤井さんが仕事をする上で軸としているものは。
 藤井 「次の人」のことを考えて仕事をしようと思っています。私もずっと南町田に配属されるわけではないし、いかに次の人が動きやすくなるか、思いを汲んでもらえるようなものを残せるかは大事にしています。

交通とまちづくり、2つの軸がある東急株式会社に

■小林さんの就活
 ──お二人の就活についてうかがいます。小林さんはどういった業界を志望されていましたか。
 小林 大学時代は商学部で計量経済学を学び、炭素税とモーダルシフトについての研究をしていました。ゼミの研修旅行でインドネシアに行き、バイクの渋滞ぶりや交通課題を見てすごく衝撃を受けました。そこで、交通も含んだまちづくりで社会課題を解決したいと思い、ディベロッパーを志望しました。ほぼディベロッパーに絞って5社くらい受け、3社内定をいただいた中で当社に決めました。

 ──就活の面接では、どういうことを話しましたか。
 小林 当社は協働する、ともに動くことを重視していて、チームで動く力を見られていたので、グループで何かを成し遂げた経験を話していました。あとはアルバイト先の予備校で広告宣伝に携わっていたのでそこでの経験もアピールしました。

 ──就活時に業種を絞るのは不安ではなかったですか。
 小林 就活の面接では自分の興味があること、自分が本当に思っていることしかしゃべれないなと思っていたので、不安はあまり感じませんでした。
 ──東急株式会社に入社した決め手は何でしたか。
小林 自分は交通も含めた社会課題の解決に関わりたかったので、まちづくりと交通の2軸がある当社に決めました。
 また、社風というか、社員の方々の雰囲気も大きな決め手でした。就活生に対しても建前ではなく接してくれる社員さんが多かったです。コロナ禍で社風を感じることが難しかったですが、各部署の社員に話を聞くオンラインイベントなどでフォローアップもしてくれました。

 ──コロナ禍の就活は苦労しましたか。
 小林 そうですね。でも、面接を受けるために現地に行かなくてよかったので楽な面もあったかなと。その一方で、対面でしゃべれないから、その会社にどういう人がいるかは見えづらかったですね。あと、友人との情報交換や情報共有は難しかったです。

 ──就活で対策したことはありますか。
 小林 自分が本当に将来何をしたいのか、自分の興味を深掘りして考えたことは役に立ちました。いろんな会社やインターンを受けたりする過程で、エントリーシートは自分の原体験を考える機会になりました。

その地域にしかない魅力を発信したい

■藤井さんの就活
 ──藤井さんはどのような業種を志望されていましたか。
 藤井 私も商学部で、地域活性化や地産地消、6次産業に興味があり、何か地域に貢献する仕事に就きたいと思っていました。地元が関西なので関西の民鉄に絞って就活しましたが、特に自分が沿線に住んでいた南海電鉄では「ここをこうしたら、もっと良くなるのに」と考えたりしゃべれたりすることが多く、働いているイメージがわきました。

 ──民鉄会社ですと、鉄道部門に配属されることもあると思います。
 藤井 それも1つの経験としてOKと考えていました。自分のやりたいことは地域への貢献、まちづくりでしたが、手法はいろいろあると思っていました。

 ──どういう形でまちづくりに関わりたいと思っていましたか。
 藤井 その地域にしかない魅力や、そこでいろんなものを作っている人の活躍を知ってもらえる機会を作りたいと思っていました。学生のときに京都で一人暮らしをしていましたが、アルバイト先の飲食店が昔の町屋を改装して地元のものを提供する店で、祇園祭に参加したりしてうまくプロモーションしていたんです。自分の地元は魅力ある取り組みもあるのに、まだまだプロモーションが足りないと感じました。最終面接では、沿線価値の向上というかブランド発信に携わりたいと言いました。
 ──就活対策はされましたか。
 藤井 まず自分が何をやりたいかを考え、自己分析をしたり、友達と話したりしました。友達から言われる自分と、自分が思っている自分が違うこともあり、「自分の強みはこれかな」と分析しました。もちろん企業を調べたり、どういう取り組みができるかと実際に働いている人に話も聞いたりしました。

 ──いわゆるOB・OG訪問ですね。どうやって訪問先を見つけましたか。
 藤井 大学が紹介してくれました。違う業界ですが、実際に話を聞いて「ここは違うかも」ということもありました。志望企業のOB・OGに、実際の仕事内容や「配属先もいろいろある」ということを事前に教えてもらいました。最初に鉄道部門や駅配属になったとしても、不動産分野に転じるキャリアもあると。

 ──入社後は、どんな仕事をされていましたか。
 藤井 沿線の物件を担当していて、1年目はニュータウンの駅前プロジェクトに加わっていました。夫の仕事の都合で東京に引っ越すことになったのですが、同じ仕事を続けたいと思い、民鉄の「キャリアトレイン」制度を使いました。やむを得ない事情で引っ越しする際、民鉄では人材の相互受入の制度があり、それを活用して東急株式会社に転職 させてもらいました。

 ──そういう制度があるんですね。
 藤井 働きやすさにつながる取り組みだと思います。
 小林 働きやすさについて言いますと、今はもうコロナ5類ですが、リモートワークの融通が利くと感じています。当社はシェアオフィス事業も行っており、そこを使って、自分の予定とか、当日の予定に合わせて好きな場所、好きな時間に働けます。

(インタビュー写真・山本友来)

SDGsでメッセージ!

 私は就活のときに、交通課題を解決したいという想いを起点にやりたいことを考えました。みなさんも「社会はこうあるべき」「こうなったらより良くなるのに」という想いがあると思います。そういった想いをぜひ大切にして、就活をしてもらえればと思います。当社は不動産と交通だけではなく本当に幅広い事業をしているので、社会課題の解決や、持続可能な社会をつくる取り組みに携わるチャンスが多い会社だと思います。そんな視点で、当社を選んでいただけたら嬉しいです。(小林さん)

 時間をかけて自分のことを掘り下げ、企業のことを調べたり、将来のことを考えたりする機会は就活以外になかなかないと思います。まずは自分の興味のあることに絞って、それにおける課題を自分なりに考えた上で、どういう世界になったら、みんなが楽しく幸せになれるかを想像してもらいたいと思います。その想像する世界が、東急グループ が目指している世界と共通するところがあったら、ぜひ一緒に働きたいと思います。私は中途入社ですが、当社は働きやすい環境が整っていて、いろいろな働き方ができます。チャレンジを応援する制度もたくさんあり、社内副業のように他部署の仕事が募集されている枠があって、応募することもできます。(藤井さん)

東急株式会社

【不動産、交通事業など】

 源流は1918年に渋沢栄一を発起人として誕生した「田園都市株式会社」。その鉄道部門を別会社とした「目黒蒲田電鉄株式会社」が1922年に設立され、現在の東急(株)につながりました。戦後の東京圏における住宅不足の解消と生活環境改善を目指し、鉄道および都市開発事業にて発展しています。現在は交通インフラ事業、都市開発事業、生活創造・リテール事業、ホスピタリティ事業など、東急線沿線を中心に多様な事業を展開。2019年に東京急行電鉄株式会社から東急株式会社へ商号変更。あわせて鉄軌道事業を東急電鉄(株)として分社化しました。