
■SDGs、ESGに対する取り組み
──セブン-イレブン・ジャパンのESGに対する考え方を教えてください。
弊社をはじめとするセブン&アイホールディングスグループ全体の基本姿勢として、「お客様とのあらゆる接点を通じて、地域・コミュニティとともに住みやすい社会を実現する」をはじめとする7つの重点課題に取り組むことを示しています。また、環境負荷を減らして豊かな地球環境を未来につないでいくためセブン&アイの環境宣言『GREEN CHALLENGE 2050』を掲げており、CO₂排出量の削減や前編で説明したプラスチック対策、食品リサイクル対策、持続可能な調達ということに取り組んでいます。
──食品を多く扱うセブン-イレブン・ジャパンさんにとって重要な分野ですね。
そうですね。食品ロス、食品リサイクル対策は特にお客様の関心も高いです。食品廃棄物の量を売り上げに対して減らしていく、店頭に並んでいるものに対しては食品廃棄物のリサイクル率を100%にしていくという目標を掲げています。お客様にご協力いただくのが非常に重要ですので、一つの試みとして「エシカルプロジェクト」という、消費期限の近い商品には5%のポイントを付与するというシールを貼り、「ぜひ、そちらを選んで買ってください」という告知をする取り組みをしています。また、省庁や小売り各社とともに、購入してすぐに食べる時には手前に陳列されている商品をお客様に選んでいただく『てまえどり』の取り組みも進めています。
──ESGへの取り組みを、会社として打ち出していこうという流れがありますね
はい。2023年4月から弊社ウェブサイトのトップページでサステナビリティの項目が大きく取り上げられるようになりました。また、持続可能な調達をテーマにした商品開発もしていて、会社全体での取り組みが加速していると感じます。
今の若い世代の方々は私たちよりも、もっとSDGsやサステナブルに興味関心のある世代です。出張授業で弊社の話を聞きたいという学生と話をする機会がありますが、すごく関心が高く、難しい質問をしてくれる子もいます。若い方たちにもっとセブン‐イレブンを好きになってもらい、未来の来店につなげていくためには、サステナビリティが重要だと思います。
■今後の取り組み
──今後はどういったところに力を入れていきたいですか。
会社としては環境に対する取り組みはもちろんですが、ESGのSの部分である「社会貢献」についてもPRをしたいと思っています。たとえば、ダイバーシティ&インクルージョン、人権に関わる部分はきちんと発信していきたいです。
――セブン-イレブン・ジャパンさんは2023年に創業50周年を迎え、「4 VISIONS」というビジョンを掲げています。
「健康な社会」「地域と共に生きる社会」「環境配慮循環型社会」「多様な人財が活躍する社会」をキーワードに、いろんな取り組みを行っています。その中でも人財については、なかなか今まで取り組みきれていなかった部分です。最近では、加盟店の従業員さんがロールプレイで接客のスキルを競う「接客コンテスト」を実施し、大きな会場で全国大会も行いました。接客に対して自信を持ってもらったり、働きがいにつなげてもらったりしてほしいと考えています。店舗の従業員さんの教育についても、本部がサポートしながらやることで、より従業員さんの働きがい向上・定着に繋がるような教育スキーム、研修スキームを取り入れていきます。