
                        ■セブン-イレブン・ジャパンの取り組み
 ――プラスチックを使用する分、回収にも責任をもって取り組むということですね。
 その最初の取り組みとして、2017年に本格的に導入を始めたのが「ペットボトル回収機」です。店舗で回収されたペットボトルは、回収機の中で約3分の1に圧縮した上でリサイクラーに運搬し、再資源化された後、再びペットボトルに生まれ変わり、店頭の商品として並びます。「ペットボトル回収機」の設置を進めることで、ペットボトルの再利用を促進する、完全循環型リサイクルの取り組みを推進しています。また、ペットボトルを入れると、5本で1nanacoポイントがためられる仕組みになっています。この回収機の設置拡大が私の仕事でした。
 ──ペットボトルは資源ごみとして自治体が回収しているところも多いですが、御社の回収事業はそれとは違う特色がありますか。
 ペットボトルは資源として繊維になったりフィルムになったりさまざまな再利用方法がありますが、弊社では「ボトルtoボトル」、つまり回収したペットボトルをペットボトルに戻してずっと使い続けていただくという「循環型リサイクル」の構築にこだわって、取り組みを進めています。2019年6月からセブン&アイグループのペットボトル回収機で回収したペットボトルを100%使用し、再びペットボトルにリサイクルした「セブンプレミアム一(はじめ)緑茶 一日一本」の発売を開始しました。商品パッケージにペットボトル回収からリサイクルまでの流れの説明を印字し、お客様にもこの「循環型リサイクル」への理解をしていただくよう啓発に取り組んでいます。
 ──ペットボトル回収機を広めるために、具体的にはどのようなことをしていたのですか。
 店舗への回収機設置手配作業のほか、ペットボトルやプラスチックゴミを事業所から回収する際、これを資源として扱いができるよう各自治体と交渉したり、ペットボトルをどの運送業者に依頼してどう回収し、リサイクルに回していくかといったスキームをつくる仕事もありました。
 ──設置台数を増やしていくには、どういったハードルがあったのですか。
 各自治体との交渉もありますし、回収機の機械自体も安くはなく、ランニングコストも発生します。弊社は、2020年7月にレジ袋の有料化が定められてからレジ袋の本部収益の一部をペットボトル回収機の設置費用にあてています。また、集まったペットボトルを管理するのは加盟店のオーナーさんの仕事になるので、店舗の負担も増えます。オーナーさんにはOFCを通じて理解を求めています。