
■大学時代との大きな違い
―─先輩や上司から教わったことはありますか。
「データをちゃんとまとめる」ということです。大学までは自分さえ分かっていれば、それをどこか発表する場で共有して、最終的に何か成果を出せばよかったのですが、会社の研究は違います。自分で出したデータを誰が見ても分かるように、いつでも共有できる形にしないといけないというのが、今までとの違いでした。
──大学でのやり方とはまったく違ったと。
そうですね。花王はすごく長い歴史の中でデータがきっちり管理されていて、いまでもアクセスできるので、昔の研究データが今も役立っている例も多いです。
──過去の研究がデータベースみたいになってるんですか。
個々のチームや部署内でデータがまとめられ、蓄積されています。
■ほかの部署にも気軽に相談できる
──なるほど。その歴史が大きな強みであると。ほかに花王のもっている強みはなんだと思われますか。
何か課題が出てきたときに、自分たちの部署だけではなく、ほかの部署にも相談できる気風があります。
洗剤なら洗剤、シャンプーならシャンプー、とそれぞれの部署が個別で仕事をしているように思えるんですけど、実は技術的につながっているところも非常に多いです。たとえば「つめかえパックにブツブツが出ました、この原因は何でしょうか」と聞くと、花王のどこかにはそうした問題に取り組んできた部署が必ずあり、何か課題が出てきたら必ず相談できる場所があるのが強みです。
──そういう知識を持っている人はどうやって探すのですか。
報告書やデータベースに近いものもありますし、「これは誰々がやっている領域だから、ここに聞いたらいいよ」と教えてくれる先輩や上司の方もいます。そういう方から人をどんどん紹介していただいて、社内でリサイクル関係の輪がどんどん広がっています。今は同じ拠点の人でなくてもオンラインツールで直接ヒアリングができるので、遠くの人にも気軽に現状を伝えていろいろアドバイスをもらえます。
■仕事のやりがい
──日々仕事をしていて、何が支えになっていますか。
やっぱり、成果が目に見えて分かるところです。たとえば私たちの開発したリサイクル容器ですと、フィルムに穴が空かなくなった、ブツブツが消えたということが、目で見えて分かります。さらにそれを製品化しようという目標に向かって進んで行くということがモチベーションになりました。
──逆に、つらいことは何ですか。
成果が目に見えないときはつらいですね。フィルムにブツブツが出たときも、パッと見はブツブツだと分かるのですが、その正体が何かは分からない。そういったものを解析したり、どうやればブツブツをなくせるのか考えたりするのはすごく大変だったし、つらかったです。
──山本さんにとって、仕事の「やりがい」とは何ですか。
自分で担当したものが製品になる。これは花王のようなBtoC企業ならではのやりがいだなと思っています。私も実際に詰め替えパックが売られている店舗を何件か探して、「あった!」と発見したときはやっぱりすごく嬉しかったですね。
■環境問題への関心
──仕事のうえでSDGs、特に環境問題について意識されることはありますか。
実は、小学生のころから将来的に環境問題には何かしら取り組みたいと思っていました。今、実際に仕事で携われているので、すごくやりがいを感じています。
──昔から環境に関心があったんですね。どういうきっかけがあったんですか。
よく海で釣りをしていたんですが、海にゴミがたくさん浮かんでいるんです。浜辺に赤色や黄色、緑色ときれいな石があると思っていたら、実はそれがガラスの瓶が割れて、角が削れて丸くなったものだということもありました。中学校、高校、大学と進むにつれて環境問題にふれる機会が増え、だんだん環境に対する思いが強くなり、最終的には環境に対して何かできる会社に入りたいと思いました。